season 3 いざ、楽して金儲けできる所へ(魔王・キャバクラサイド)
キミカは、しぶしぶ魔王石の前に立ち、呟いた。
キミカ「デビルタウン、ストップ!!」
デビルタウンは、上昇するのをやめて、空中で停止した。
キミカ「ふう、なんとか止まったみたい。」
魔物や人間達は、キミカを絶賛した。
「おお!!さすがキミカさん。キミカさんなら、やってくれると思ったよ。」
「ありがとう、キミカさん。」
キミカ「あのう、これって魔力は関係ないんじゃない?私、適当に呟いただけなんだけど。」
魔物・人間達「いやいや、そんなことはない。キミカさんだから止めれたんだ。」
「そうだそうだ、キミカさんの魔力のおかげだ。」
緑色の肌に緑色の作業着を着た、一つ目の大柄なギガンテス・森山が魔王石の前に立った。
ギガンテス・森山「キミカさん、ちょっと失礼。キミカさんが、そう言うのなら、ちょっと俺がやってみよう。」
魔物達「おいおい、森山やめとけ!!せっかく、キミカさんが止めてくれたんだ。キミカさんに、デビルタウンを安全な所に着地させてもらおう。」
しかし、ギガンテス・森山は既に呟いていた。
ギガンテス・森山「デビルタウン、楽して金儲けできる所へ発進!!」
デビルタウンは、ゴゴゴゴゴ!!と音を立てて、レムリア大陸から東に向かって進み始めた。
魔物達「森山、てめえ、なに勝手に呟いてるんだ!!どこへ向かうって言ったんだ?」
ギガンテス・森山「楽して金儲けできるところだ!!みんな、お金欲しいだろ?俺は金儲けをして、腹いっぱい牛肉や寿司を食べたい!!毎日、猪肉ばかりで、飽き飽きしてるんだ!!」
魔物・人間達「確かにお金は欲しいけど、楽して金儲けできる所なんてあるのか?」
「寿司と言えば、デビルマリンタウンに回転寿司が出来たらしいぞ。」
「ああ、あの渦潮の中にある店だろ、こないだ行ったら海が荒れてて、寿司や茶が床に散らばるなか、転げながら食ったよ。店員も、転げながら寿司握ってた。」
「マジで~。なんか酔いそうだな、その店。」
「デビルタウンが動いてるってことは、楽して金儲けできる所に向かってるんじゃないのか?」
魔王ケンイチと魔王の騎士隊長ファージは、スピーカーのアンドロイドの使う、少林寺拳法に苦戦していた。
魔王ケンイチ「ファージ、デビルタウンが、また動き出したぞ。」
ファージ「いったい何処へ?サファリスが、動かしているのかもしれません。」
魔王ケンイチ「サファリスだと良いんだが・・・・いや、でもアイツの考えてることは、よく分からないからなあ。」
三蔵法師は、細い路地で迷っていた。実は、三蔵法師ことルシファーは、方向音痴だった。
三蔵法師「クソッ分からない。確かにこっちから来たはすなんだが。なんか街が動いているような・・・・気のせいか?」
デビルタウンは、しばらく東に進んで止まり、ゆっくりと下降し始めた。
魔物・人間達「なんか着いたみたいだな。ってことは、ここは楽して金儲けできる所なのか?」
「森山、すげえ!!棍棒で叩くしかできないと思ってたが、こんなことを思いつくなんて、お前、頭いいなあ。」
「森山、俺は、お前に一生ついていくぜ!!」
何人かの魔物・人間達が、時計台の窓辺に行き、下の景色を眺めた。
魔物・人間達「おい、なんか赤い針の山が見えるぞ。」
「あそこには、なんか青色の泡立った池?みたいなのがあるぞ。」
デビルタウンは、更にゆっくりと下降し、下の景色が、少し詳細に見え始めた。
「おい、あれ。なんか人間みたいなのがいるぞ。」
「あれは赤鬼じゃないのか?青いのもいるぞ!!人間や悪魔達が、ボクシンググローブをはめた鬼達に殴られてる!!」
「針の山に、人間や悪魔がいっぱい刺さって、血が噴き出してる!!」
一人の眼鏡をかけた、人間の若い男が呟いた。
「ここは・・・・地獄だ・・・・。」
魔物・人間達「ええ?マジかよ!!」
「確かに、この景色は地獄だ。本で読んだのと一緒だ!!」
「森山!!お前、なんてことしてくれたんだ!!」
「ふざけんなよ、森山!!アンドロイドに殺られる前に、地獄に来てしまったじゃないか!!」
ギガンテス・森山「まあ、みんな待て待て。落ち着け!!たぶん地獄は、楽して金儲けできる所なんじゃないのか?実は、簡単にお宝を見つけられるとか。」
魔物達「んなわけあるか!!さっさとデビルタウンを動かせ!!いや、まて!!森山、お前は呟くな、キミカさん、お願いします。」
しかし、キミカが呟く前に、森山が魔王石に呟いた。
ギガンテス・森山「デビルタウン、着地はキャンセル、もう一度、空へ!!」
デビルタウンは、加速して静かに素早く、地獄へ着地した。
魔物達「森山、てめえ!!」
「一時でも、お前を尊敬した俺がバカだったぜ!!」
「お前はバカだ!!棍棒で叩くことしかできない、世界一の大バカ野郎だ!!」
魔物達は、ギガンテス・森山に殴りかかり、ボコボコにした。
ギガンテス・森山「やめろ、やめてくれ!!俺は、お前達のことを思って。お前達みんなが、金持ちになればいいなあと思って・・・・グワッ」
魔物達「コイツ、まだ言うか。」
「牛肉と寿司が食べたかっただけだろ。」
袋叩きにされたギガンテス・森山は気絶して倒れ、サファリスの隣に並べられた。




