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デビルタウン物語  作者: 明日こそはシンデレラ
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season 3 三蔵法師の正体(魔王・勇者・キャバクラ・オールサイド)

魔王・ケンイチ「もっと速く走れ、サソリ!!ファージは、一体どこにいるんだ!!」


魔王・ケンイチは、細い路地を抜け、時計台を目指した。デビルタウンの住居や店といった建物は壊れ、魔物や人間の住民達は、避難場所に指定されているデビル市役所とデビル建設の地下、時計台、悪魔学園などの学校の体育館に避難していた。


ファージ「魔王様!!」


魔王・ケンイチが噴水広場近くに着いたとき、黒の毛糸の帽子に茶色のセーター、紺のデニムを履いたファージが、左手首の魔王レーダーを見ながら走り寄って来た。


魔王・ケンイチ「ファージ、手を貸してくれ!!」


ファージ「はい、何なりと、お申しつけ下さい!!」


魔王・ケンイチ「胴体が黒でスピーカーになっているアンドロイドを2体、一緒に捜して破壊するのを手伝ってくれ、そいつが魔のオーラをアンドロイド限定で飛ばしているんだ。後ろの方、おそらく、アンドロイド達の群れの最後方にいるはずだ!!」


ファージ「分かりました。魔王の騎士達、魔王様と私が戻って来るまで、時計台だけは、なんとか死守しろ!!」


魔王騎士達「分かりました!!」


ファージ「それにしても魔王様、なぜ、三蔵法師はデビルタウンを?」


魔王・ケンイチ「ここに着くまでに思ったんだが、たぶん三蔵法師は・・・・。」




魔王・ケンイチと魔王の騎士隊長・ファージから、ちょうど向かい側で、かなり離れた路地の広い所で、三蔵法師と光の魔法使いイルカは対峙していた。


イルカ「ザ・サン!!」


イルカのハゲ頭が眩しく光った。


三蔵法師「そんな子供騙しのような魔法が、このルシファーに効くはずないだろ。」


イルカ「なっお前はルシファーなのか!!なぜルシファーがこんなところに!!お前は地獄で、道路工事をしてたんじゃないのか?」


三蔵法師「ああ、そうだ。俺は、手が汚れる仕事は嫌いなんだよ!!死ね、アトミックレーザー・ホーミング!!」


イルカは、なんとか体を左右にふって、三蔵法師の右手から出た赤いレーザー光線をかわしたが、レーザー光線はUターンをして、再びイルカの所に戻ってきた。


イルカ「ハゲ・シールド!!グワッ」


イルカは、間一髪で自分の体を覆う光のシールドを張ったが、三蔵法師の放ったレーザー光線の威力は強く、シールドごと体を貫かれ、倒れた。イルカの胴体には、勇者・セイジと同じく大きな穴が空いていた。三蔵法師は、微かに息をしているイルカの、胴体に空いた穴に右手を突っ込み、そのまま持ち上げた。


三蔵法師「安らかに眠りたまえ、浄化!!」


三蔵法師の右腕が凄まじく光り、イルカの体は黒い灰になって、風に吹かれて無くなった。


三蔵法師「今日は、一段と綺麗な満月だ。」


そう呟くと、三蔵法師は、細い路地の中へと入って行った。





魔王・ケンイチとファージは巨大サソリに二人乗りし、最後方の胴体が黒い、スピーカーのアンドロイドの元へと迫っていた。


ファージ「三蔵法師は、ルシファーだというのですか!!」


魔王・ケンイチ「たぶんな。」


ファージ「もし、そうだとしたら、ルシファーはアンドロイドってことになりますが・・・・。三蔵法師は、あれはどうみてもアンドロイドですよ。」


魔王・ケンイチ「アンドロイドは、人間が作り出した物なんだから、悪魔になってもおかしくないんじゃないのか・・・・とにかく、三蔵法師を倒さないとな。」


ファージ「はい。」


魔王・ケンイチ「いたぞ!!あの2体だ!!こんな所まで進んで来ているとは。」


胴体が黒いスピーカーのアンドロイド2体は、先程、魔王・ケンイチが通って戻って来た、細い入り組んだ路地の入口手前まで来ていた。

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