season 3 光の魔法の秘密(勇者サイド)
ハゲたオッサン3の張ったシールドは、ヒビが入り、へこみ、崩壊して消えた。無数の小さな隕石が、ハゲたオッサン3めがけて堕ち、そのうちの1つが、ハゲたオッサン3の頭に当たり、ハゲた頭がへこんで、その場に仰向けに倒れた。
ハゲたオッサン3は、仰向けに寝たまま、駆け寄って来た勇者・セイジに話しかけた。
ハゲだオッサン3「うぅ・・・・さすが勇者だ、賢者の杖を持っているとは。」
サンタクロースとケンジャノツエも、空から降りて駆け寄って来た。
ケンジャノツエ「ハゲ親父に乾杯!!」
ケンジャノツエが魔法を唱えると、ハゲたオッサンのへこんだ頭は元通りになり、ハゲたオッサン1.2.4.5と雀達も起き上がった。
ハゲたオッサン3「おお、さすが賢者の杖だ、魔法の範囲が広い。この杖があれば、私は必要ないだろう?」
勇者・セイジ「いやいや、今の戦いで、ぜひ、あなたに私のパーティーになって欲しいと思いました。」
ハゲたオッサン3「私の名前はイルカだ。詳しい話は、私の家で茶でも飲みながら聞こう。」
イルカは、5個のカツラが落ちている所まで歩いて、そのうちの1つを拾いあげた。
ハゲたオッサン2「おい、それは俺のカツラだ!!」
イルカ「すまん、間違えた。」
イルカは、別のカツラを拾い被った。すると、イルカはその場から消えていなくなった。
勇者・セイジ「このカツラを被るのか?」
ケンジャノツエ「これは、カツラの翼です。このカツラを被れば、あのハゲ親父の家に着くと思われます。」
勇者・セイジはカツラを被ると、消えてその場からいなくなった。続いてサンタクロース、ケンジャノツエもカツラを被り、気がつけば3人とも、少し小さめのビニルハウスの前に立っていた。イルカがビニルハウスの中から出て来た。
イルカ「おい、みんな入れ、ここが私の家だ。」
勇者・セイジ「ビニルハウスが家なんですか?」
イルカ「光の魔法は、常に太陽と共にある・・・・最近の若者は、闇の魔法に走る。何故だか分かるか?」
勇者・セイジ「闇の魔法の方が、簡単に覚えられるとかですか?」
イルカ「違う、光の魔法は極めれば極めるほど、頭がハゲるからだ!!ハゲは、光の魔法使いの間では勲章だが、世間から見れば、ただのハゲだ!!まあ、そこのテーブル席に座れ、茶を出そう。」
勇者・セイジ、サンタクロース、ケンジャノツエは、ビニルハウスの入口近くにある丸いテーブル席に座った。ビニルハウスの中は、板が敷き詰めてあり、奥に台所、隅の方にタンス、天井からハンモックがぶら下がっていた。イルカが、生温いお茶を持って来て座り、話し始めた。
イルカ「一時は、光の魔法ブームでヤマタイコク辺りまで広がったんだが、やっぱりハゲるのはいやだろ、で、みんな回復魔法辺りまで覚えると、光の魔法をやめるんだ。光の魔法は、あくまでも補助魔法で、攻撃魔法は、他の魔法で穴埋めするというわけだ。」
勇者・セイジ「派遣に登録している光の魔法使いは、中途半端に光の補助魔法を覚えているだけなので、事務員向けというわけか。」
イルカ「ところで、実は私も光の村での生活に嫌気がさしていたところだ、私も勇者となら世界を旅してみたい。ぜひ、連れて行ってくれ。」
勇者・セイジ「分かりました。じゃあ、よろしくお願いします。」
イルカ「では、今から準備をするから、少しだけ待っててくれ。」
イルカは、タンスから出したお気に入りの服を幾つかと、タンスの上に置いてある3個のカツラを旅行鞄に詰め込んだ。
イルカ「よし、行こう。」
勇者・セイジ「とりあえず、天竺に。」
イルカ「分かった、ビニルハウスから出て真っ直ぐ歩くと、自然とさっきの田んぼに着く。まあ、私の後について来てくれ。」
勇者・セイジ、サンタクロース、ケンジャノツエは、イルカの後について、ビニルハウスから外に出た。




