season 3 勇者のルーキー(勇者サイド)
セイジは、セニョール生活環境事務組合の、庁舎内の魔王討伐課にいた。
セイジ「ケンイチが懲戒免職で、デビルタウンの魔王になったって本当ですか?」
魔王討伐課・課長カマボコ「ああ、あいつは元々グラスランドシティーの魔王だったらしい、デビルタウンとグラスランドシティーを占める大魔王になった今、ほっとくわけにはいかない。これからは、俺達の敵だ。」
魔王討伐課・課長のカマボコは、大柄で、40代半ばの槍が得意な大男で、やや太っていた。
セイジ「じゃあ、さっそく俺がケンイチを倒しに行きます。」
課長・カマボコ「おお、今のお前のパーティーなら、ケンイチといい勝負をするかもしれないな。だが、無理をするな、あいつの強さは底知れないからな。」
セイジ「はい、分かってます。」
セイジは、グラスランドシティーのはずれにある、魔王病院の一人部屋で入院をしていたとき、サンタクロースの夢を見た。
サンタクロース「お前の近所の勇者タケトが、魔王に倒されて死んでしまった。タケトは、私の主だった。お前、勇者になりたいんだろ?じゃあ、私の主になってくれないか?」
セイジ「サンタさんの主になれば、勇者になれるんですか?」
サンタクロース「ああ、そうだ。勇者の力を手に入れられるぞ。」
セイジ「サンタさんは、なぜ主が欲しいんですか?」
サンタクロース「主がいないと、クリスマスまで仕事がないから暇で暇で。かと言って、忙しすぎるのも嫌だし。私は召喚獣の一種でね、闘いのときに主に呼ばれて仕事するぐらいが丁度いい。」
セイジ「なるほどね。じゃあ、サンタさんの主になるよ。」
サンタクロース「OK、じゃあ契約成立、これからよろしく。」
こうして、セイジはサンタクロースを召喚できるようになり、段違いに強くなった。魔法使いの派遣社員、ミサキとリョウを引き連れて、各地の強い魔物達を倒し、少し名の知れた勇者になっていたのであった。
セイジ「今の俺なら、ケンイチに勝てる自信がある、ミサキとリョウ抜きで、サシでケンイチと勝負だ!!」
セイジは、魔法使いタクシーを拾って、デビルタウンに向かった。デビルタウンに着くと、さっそくデビル市役所に行き、受付のサキュパスに、魔王ケンイチの居場所を聞いた。
受付・サキュパス「魔王様なら、時計台に行かれました。」
セイジ「ありがとう。」
デビル市役所から少し歩いて時計台に着き、中に入ると、2階の方から何人かの話し声が聞こえた。セイジは、階段を上って2階の扉を開けると、ケンイチ、セナ、シリウスの3人が、大きな青色の丸い魔王石を囲んで話をしていた。
セイジ「ケンイチ!!」
魔王ケンイチ「ん?おお、セイジ、久しぶりだな。」
セイジ「久しぶりじゃねえ!!俺は勇者として、また魔王討伐課の職員として、お前を成敗する!!」
セナ「おお!!なんだその自信に満ちた表情は!!こいつは、かつての貧弱な小僧じゃない!!」
シリウス「そりゃそうだ、こいつは最近売り出し中の、勇者のルーキー・セイジだ!!」
魔王ケンイチ(セイジと言えば、俺から見ればただのテリヘル野郎だが。)
セイジ「ケンイチ、俺とサシで勝負だ!!サンタクロース、カミング!!」
魔王ケンイチ「ゲッまじか!!」
魔王ケンイチは、以前の勇者タケトとの、超面倒くさい闘いを思い出した。2階のガラス窓をぶち破って、ソリに乗ったサンタクロースが現れた。
サンタクロース「メリー平日!!何でもない平日に、プレゼントを欲しがるとは、さすが勇者だね。タイマノツルギ、降りな!!」
ソリの後ろの荷台から、長い金髪のストレートヘアーに黒のカーディガン・トップス、緑のスカートをはいた女子、タイマノツルギが降りて来た。
魔王ケンイチ「でたでた、女の姿をした剣だ、剣のくせにオシャレしやがって。」
タイマノツルギ「美容院に行って来ました、セイジさん、どう?」
セイジ「うん、似合ってるよ。」
魔王ケンイチは、以前と変わらずイケメンで、女にもてるセイジに苛ついた。
魔王ケンイチ「上等だ!!表へ出ろ!!このデリヘル野郎!!」
セナ「え?こいつ、デリヘル呼ぶんですか?勇者のくせに。」
シリウス「そいつはいけねえな、勇者さん。いくら勇者でも、テリヘルを呼んじゃあ、イメージダウンですぜ!!」
セイジ「うぅ・・・・ケンイチ、お前、知っていたのか?」
魔王ケンイチ「・・・・すまん。」
タイマノツルギ「え?セイジさん、イケメンなのにデリヘル呼ぶんですか?なんかショックです。」
セイジ「クソッツルギちゃん、いつも通り援護を頼む!!喰らえ、ケンイチ!!地走り・改!!」
セイジは、剣を床に向かって振り、地を這ういくつもの斬撃を飛ばしてきた。




