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デビルタウン物語  作者: 明日こそはシンデレラ
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season 2 ケンイチ、デビルタウンへ(魔王・勇者・キャバクラ・オールサイド)

ケンイチは、グラスランドシティーの市長のいる"草原の小部屋"に行き、市長に街の種を渡した。


市長「これが街の種ですか、その辺のホームセンターに売ってる種と変わりませんね、で、いくらしたんですか?」


ケンイチ「300円だ。」


市長「え?300円ですか、やす!!街としては100億円用意してました。」


ケンイチ「ある意味、100億以上だな、裏の説明書を見ると、肥料が街の人々の希望と前向きな気持ちと書かれているぞ。」


市長「とりあえず、街にこの種を蒔くしかないですね。」


ケンイチ「そうだな、誰だって幸せになりたいと思って今日を生きている、大丈夫、人それぞれだけど、希望を持ってない人間なんていないはずだ。」


市長「それはそうと、デビルタウンに海人達が押し寄せてるみたいですよ、先ほど、魔法使いニュースの人が言ってました。」


ケンイチ「海人が?よし、ちょっとデビルタウンに行ってみる、じゃあ、後はよろしく。」


市長「分かりました。」


ケンイチは、草原の小部屋を出て地下街で、魔法使いタクシーを呼んだ。


ケンイチ「魔法使いタクシー!!」


腰掛け椅子に座っている中年男がゆっくりと立ち上がり、ケンイチの所まで歩いて来た。


中年男・魔法使いタクシー「どちらまで?」


ケンイチ「デビルタウンまで。」


魔法使いタクシー「今行くのはやめといた方が・・・・。」


ケンイチ「今じゃないとダメなんだ。」


魔法使いタクシー「分かりました、じゃあ、忘れ物はないですか?行きますよ、デビルタウンへレッツラゴー!!」


魔法使いタクシーとケンイチは、臼緑色の光に包まれて、デビルタウンへ着いた。


魔法使いタクシー「では、私はこれで。」


魔法使いタクシーは、代金を受けとると、すぐに消え去った。

デビルタウンでは、海人達と魔物達の戦いが始まっていた。海人達が圧倒的に有利で、多くのデビルタウンの魔物達が倒れていた。シャチ人間とサメ人間の魔法使い・ショージとマルコが魔のオーラを周囲に張っているため、肉弾戦を強いられる形となり、腕力で勝る海人達が圧倒していた。


シャーク・サトウ「建物はあんまり壊すなよ、デビルタウンを手に入れた後、修繕費がかかるからな。」


魔法使いのシリウスは、魔法が通じないため全く役に立たず、海人の誰かに殴られて、よろけながら時計台までなんとか辿り着いて休んでいた。セナも応戦していたが、やがて海人達にボコホコに袋叩きにされ、倒れた。魔王レイコの周りには、ポチとゴールドマン、数人の魔王の騎士だけとなった。街の住人達は、避難場所に指定されている時計台や市役所、デビル建設本社、魔法使い学校等に避難していた。


ケンイチ「グラスランドシティーが攻め込まれたときも、こんな感じだったのか。それにしても、なんか気に入らない。」


ケンイチは、魔王レイコ達を囲んでいる海人達の所まで歩いて行き、一人のシャチ人間を殴り飛ばした。


「なんだ、こいつは!!悪魔みたいな奴がまだいるぞ!!」


シャチ人間の一人が叫んだ。


「ギャアアア!!」


サメ人間の一人が、遅れて来たダルタニャンに引っ掻かれた。


魔王レイコ「ダルタニャン、来るのが遅いわよ!!」


ダルタニャンは、デビルヒルズの魔王の部屋で昼寝をしていたため、遅れて来たのであった。


ケンイチ「レイコ、お前がまさか、ゴリラの魔王の女だったとはな。キャバ嬢時代のお前に、金を入れ込んだ俺がバカだったぜ。」


魔王レイコ「はあ?何言ってるの?そんなわけないじゃない。」


ケンイチ「だったらなぜ今、デビルタウンの魔王になってるんだ?余程のコネかなんかじゃないと、魔王になんかなれるわけがない!!」


魔王レイコ「これは成り行きよ、成り行きで魔王になったの!!今だから言わせてもらうけど、私はね、この世でゴリラが一番嫌いなの!!ていうか、嫌いになったの!!あなたと魔王のダブルゴリラに会ってから。」


ケンイチ「うぅ・・・・。」


ポチ「ワンワン(あいつは強いから、とりあえず好きとか言って、味方につけといた方がいいんじゃないか?)」


ダルタニャン「ニャンニャン(そうだそうだ、振るのはこの場を乗り気ってからでいいじゃないか)。」


魔王レイコ「でも、キャバクラのときみたいに、しつこくつけ回されたら嫌だし。」


ポチ「ワン(デビルタウンを移動させればいい)。」


ダルタニャン「ニャンニャン(そうそう、それにゴリラだしな、いつか森に帰る日が来るさ、緑が恋しいと思う日が来るさ)。」


魔王レイコ「そうね、とりあえず戦力がほしいから・・・・ごめんなさい、ケンイチさん。私、実は魔王に脅されて・・・・でも本当は、あなたのことが好きなの、勇者のあなたが好きなの。」


ダルタニャン「ニャニャ?(え?こいつ勇者なの?ストーカーする勇者って、世界初じゃね?)」


ポチ「ワン(セニョールでは一応、名の知れた勇者だ)。」


ケンイチ「嘘つけ!!今さら遅いわ!!それに俺は人間だ、俺は月人病でゴリラになったんだ!!」


魔王レイコ「え?あなたも月人病なの?ふーん。」


ケンイチ「以前のゴリラの魔王も、月人病だった。あいつは人間の勇者だった・・・・。」


魔王レイコ「とりあえず今は・・・・助けてもらえない?」


ケンイチ「・・・・分かった、勘違いするなよ、貸しだからな。」


魔王レイコ「ありかとう、ケンイチさん。」


ケンイチ「・・・・。」


その状況を見ていた海王は呟いた。


海王「可愛いって特だよな、あの魔王がブスなら、あのゴリラは絶対助けないはずだ。」

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