表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
デビルタウン物語  作者: 明日こそはシンデレラ
1/271

勇者ケンイチ登場(勇者サイド)

勇者ケンイチは、キャバクラにはまっていた。


今日もゴールドドラゴンを倒し、報酬をたんまり貰ったので、パーティーのうちの1人、魔法剣士のセイジを連れて、キャバクラ・チョチョリーナに。


目当ては、人気ナンバーワンのちょっと小柄で肌白い、長い緑の髪で、歌うのが大好きなエルフ・レイコだ。

キャバクラに着くと、早速ケンイチは指名をした。


ケンイチ「レイコ。」


黒服「すいません、ただいまレイコさんは接客中でして。カオルさんならあいてますが・・・・。」


カオルとはカマキリのキャバ嬢で、昆虫人には大人気だ。


ケンイチ「はあ?お前なめてんの?俺を誰だと思ってるの?世界最強の勇者だよ。この店が、モンスターに襲われても助けてやらねえぞ。なんなら、今から闇の森に行って、ゴブリンを捕まえてきて、この店に解き放ってやってもいいんだぜ!!ゴブリンが暴れて、店はボロボロになるだろうなあ。」


黒服「あちらの席で、少々お待ち下さい。」


黒服はそう言うと、接客をしているレイコのところへ。


黒服「レイコさん、勇者ケンイチ様から指名が入りました。」


レイコ「マジで~、嫌だなあ。」


黒服「そんなこと言わずに。魔王を倒せるのは、勇者のケンイチさんだけなんですから。」


レイコ「勇者ねえ。」


レイコはそう呟くと、店の一番奥の席に座っているケンイチのところへ。


ちなみに、勇者ケンイチは身長2.5メートル程のゴリラだ。


レイコ「いらっしゃい、ケンイチさん。元気?」


ケンイチ「よう、レイコ。元気だぜ、なあレイコ、俺の女になれよ。」


レイコ「今はまだ、仕事が忙しいから恋愛はちょっと。」


ケンイチ「じゃあ、今度の日曜日に動物園に行こうぜ!!」


動物園て、ゴリラのお前が言うなよと、レイコは一瞬思った。


レイコ「日曜日は、他のバイトがあるから別の日に。エルフの女友達誘うから、そちらの魔法剣士のセイジさんと4人で行きましょう。」


ケンイチ「いいねえ。けど、セイジって頼りないんだぜ、こいつ、魔法も剣も中途半端だから。」


セイジは、身長1.7メートル程の頼りない感じの、顔がジャニーズ系の男だ。


ケンイチが、いつも通り、セイジのダメ出しを始めた。


ケンイチ「こないだもこいつ、闇の魔法使いと魔法で闘って、追い詰められて、俺が助けなかったら死んでたぜ、たぶん。」


セイジ「相手が女だったから、つい相手の土俵で。」


ケンイチ「お前はそれだからダメなんだよ、命をかけた闘いなんだぞ、相手が女だからとか関係ない!!だから、お前は勇者になれないんだよ。」


セイジは、ゴリラのくせに偉そうなこと言いやがって。絶対いつか殺してやる!!と、毎回キャバクラに来るたびに思った。


レイコ「でも、勇者って大変ね。なんか負けたらいけないみたいなプレッシャーというか、負けた瞬間、勇者じゃなくなるって感じ。」


ケンイチ「俺は、生まれた瞬間から自分のことを勇者だと思っている、自分がゴリラだなんて、一度も思ったことなんかないぜ!!」


それからケンイチの自慢話が始まった。自慢話には、


「こないだは、俺のゴリラパンチ一発で、オオワダ砂漠の巨大ムカデをしとめてやったぜ!!」


というような、やたらとゴリラパンチがでてきた。


自分のこと、ゴリラだと認めてるじゃん。と、レイコは思ったが、話のたびに「凄いわ。」とか、「頼もしいわ。」と誉め称えた。


時間がきたので話が終わり、帰り際にケンイチが、


「レイコ、愛してるぜ!!」


と言った。


はあ?何言ってるのこのゴリラ。もう死んでほしい、今すぐ死んでほしいと思ったが、


「ありがとう。」


と、微笑んだ。


「レイコは俺のことが好きだな。」


勇者ケンイチは、そう確信し、キャバクラを後にした。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ