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【書籍化】無職独身アラフォー女子の異世界奮闘記  作者: 杜間とまと


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番外編 吾妻さんと結婚1

 吾妻さんと結婚することになった。

 ……とはいえ、書類上だけ。の、つもりだったんだけれど。

 まぁ、結婚というのは、家と家のつながりなので、そう言うわけにもいかない。

「吾妻さん、またお願いしてもいい?」

 吾妻さんとは週に1回は電話している。相変わらず私が使っているのはガラケーだ。

 スマホに買い替えようかと思ってはいるんだけれど、PCあればスマホでできることは問題なくできるしなぁ。

 今は無職なので、家にいる時間が長くてさらに必要性を感じない。

「ああ、もちろんだ。いつだ?こちらで時間を空けておく」

 親に結婚すると報告したら、顔合わせはいつにする?となるわけだ……。

 ユータさんが、僕が代わりに挨拶しようか?と言ってくれたんだけど。

 ……うちの両親や妹は、ユータさんが私の夫だと思っていた場合、もし、親戚一同集まるというようなことがあったとき、こちらの親族と吾妻さんの親族とでおかしなことになっちゃうし……。

 てなわけで、異世界にいて、顔など合わせられるわけもないけれど、顔合わせ……の場をセッティングすることになった。

「3日後の昼食をうちの両親と妹と一緒にと言うことになったんだけど……」

「分かった。こちらは早朝になるかな。人払いして準備しておく」


 3日後。秋田へ向かい、実家へ一人で足を運ぶ。

「あれ?婚約者さんどうしたの?お姉ちゃん一人?」

 妹が駅まで迎えに来てくれた。

「あー。うんやっぱり帰って来れなくて……」

「じゃあ、連絡くれればよかったのに。帰ってきてから日を改めればいいのに」

 何度日を改めても、帰って来れないからね……。

 実家につく。日本に戻ってすぐに来て以来だから、2カ月ぶりくらいになるだろうか。

 古い木の家独特の匂いがする。

 それに混じって、おいしそうな匂いが漂ってきた。

「お母さん、お姉ちゃん一人だよ。婚約者さん帰国できなかったんだって」

「あれ?まぁ、本当に?」

 妹が台所にかけて行くのを見ながら、居間へ移動すると大きなテーブルの上に鍋の準備が整えられていた。

 きりたんぽ鍋で吾妻さんを接待しようとしたのか。

 瓶ビールにグラス、お寿司、色々と並べられていた。

「なんだ、そうか……」

 居間で緊張気味に座っていたお父さんが複雑な表情をする。

「仕方がないわねぇ。お仕事……小説家だったわね」

 お母さんがいぶりがっこを乗せた皿を運びながら居間に入って来た。

「そう、大人気作家よ。アニメ化したけれど、今度作品がアメリカで実写映画化されるんだって!」

 妹がすごいよねーと嬉しそうに話だす。

「で、打合せでアメリカに行ってて、帰国予定がハリケーンで飛行機が飛ばなかったんだよね?」

 車の中で話した作り話を、妹がペラペラと両親に説明してくれる。何度も嘘を吐かなくてすんで、ちょっとだけホッとしている。

「ええ。撮影の候補地を回っていたんだけど、その一つに足止めを食らってしまっているらしく……えーっと、か、彼も申し訳ないと言ってて、電話でも挨拶したいって……」

「あーあ、せっかく将来の義兄さんに会えると思ったのになぁ。お姉ちゃん全然どんな人なのか教えてくれないんだもん。会ってからのお楽しみって言うばかりで」

 いやぁ、色々と、話せないことばかりなんだよ。

 吾妻さん……いまだに謎ばかりなんだもん。

 実は私も会ったことがないし。……ははは。

「ほ、ほら、謎の作家で売ってるから……ね?決して人前に姿を現さない……」

 というか、現しようがないんだけどもね。

「はいはい、守秘義務ってやつね。大丈夫よ。私も周りにぺらぺら喋ったりしないから。あ、お父さんもお母さんもうちの娘のダンナはこうこうこうでとかしゃべっちゃダメだよ?」

 ははは。正体不明の作家の秘密を明かせないなんて理由で結婚式とかいろんな人前に出ることは全部パスするという話にしたんだよね。

 ただ、家族にも紹介しないということはできなかった。

 まぁ、内緒にしておくという手もあるにはあったけど。親に心配をかけたくないし。

 子供は……できれば里帰り出産したいし。一人じゃ不安だもん。

 電話のベルが鳴る。

「あ、彼からだ」

 電話に出る。吾妻さんからかかってくる約束になっていた。

 一言二言会話をしたあと、スピーカーに切り替える。

『電話での挨拶となってしまい申し訳ありません。全力で幸せにします。幸い金銭的には苦労をさせないだけの稼ぎもあります。仕事柄こうして大事な時にそばにいてあげられないこともありますが……その分、誰よりも日々大切にすると近いますので、お嬢さんと結婚させてください』

 うわー!

 そうきたか!

 そりゃそうか。結婚するときの定番だ。


ご無沙汰しておりまして。またぽつんと番外編など。

もう1話あります。


「加護なしハズレ闇侯爵の聖女になりまして~ご飯に釣られて皇帝選定会に出ています~」という小説を投稿始めました。「無職独身アラフォー女子」に近い話です。

異世界転生、知識チートで活躍……ヒーローは吾妻さん系かなぁ……お好きな方はぜひ!(本当はなろうにもアップしたいんだけど、現状更新作業が手一杯でいつになるか分からないですスイマセン)


さて。もう一話明日更新します。

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― 新着の感想 ―
>誰よりも日々大切にすると近いますので、お嬢さんと結婚させてください』 誤字だと思われます。
[良い点] ずっと面白く読ませていただいてます! どこが良いと一つ一つ挙げるのも難しいですが、、度々「なんでそっち行くの?!」って言いたくなるような主人公のチョイスの悪さ、、、を毎度残念に思いつつも楽…
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