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魔王様の妹君と侍女と翌朝






 この前はサリーとカルシファーのためエリザベスにあげようと思ったプレゼントをあげることが出来なかったため、また執務室にエリザベスを朝早くから呼んだ。


 もちろんエリザベス付きのサリーもついてきた。

 だが魔王様と目が合うとサリーは気まずそうに視線を逸らした。


「おや、サリー。我に挨拶は無いのか」


「・・今日もだらしきった顔でございますね」


「ああ、どこかの侍女が離して寝させてくれなかったからな」


「・・・」


 黙ってしまったサリーの服の裾をエリザベスが引っ張る。


「サリー?」


「どうかなさいましたか」


 話が逸れたことにほっとしたサリーだった。やはり子供というのは無邪気で可愛らしい。



「どうして、今日の朝は私の部屋に来るのが遅かったの?」


「ぐっ、いえ、今日は寝坊をしてしまいまして」


「そうなの?」


「ええ」


 やはり子供であったか、子供というのはいつも無邪気な言動をするのに偶に確信をついたことを言ったりする。

 横で笑っている魔王様を睨んでサリーはエリザベスに視線を合わせながら説得させる。


「寝坊ですわ」


 有無を言わせない口調で諭す。

 初めてエリザベスがサリーの笑顔が怖いと思った日となった。














「おや、おはようございます」


 サリーがエリザベスに丁寧に話しているとカルシファーが書類を抱えて入ってきた。


「おはよう、宰相さん」

 

 まだカルシファーと言うのが難しいエリザベスは宰相さんと言っている。

 カルシファーはエリザベスに笑いかけ、サリーにも挨拶をする。


「おはようございます、サリー殿」


「サリー?」


「・・おはようございます」



 エリザベスに見上げられたため、大人として挨拶をしなければならないサリーは憎しみを込めながら挨拶を返す。

 カルシファーは意味ありげに眼鏡を直しながら自身の唇をさして微笑する。

 サリーは眉をつり上げてカルシファーを見るが痛くも痒くもないカルシファーはその視線をかわして書類を魔王様の机にどんと置いた。

 

 

 それを見て魔王様の額に皺が寄る。


「何故こんなに多い」


「昨夜、私とサリー殿が飲んでいるのをずっと見ていたからでは?」


 何も言わずに書類の束に手を伸ばした魔王様を見ると真実らしい。

 


 金輪際、お酒は飲まないと誓ったサリーであった。














「お兄様、それで何で呼んだの?」


「ああ、そうだ。サリー、持ってきてくれ」


「私一人では無理です。誰かにして下さい」


「ヴァリエートでも使え」





 エリザベスとお戯れるのに忙しい魔王様を見て、サリーは溜め息をつきながら執務室を後にした。











最近、気付いた。

このタイトル、無駄に長い・・・

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