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魔王様の妹君と侍女と先生









 今日も空気が淀んで辺りが障気で満ちている素晴らしい天気の中にエリザベスとサリー、それに包帯を巻いた人物がいる。


「イシュー、早く教えて欲しいわ」


 イシューと呼ばれた人物、名前はイシュバリツィーアリツァイと言うが長いためエリザベスは言うことが出来ない。

 だがイシュバリツィーアリツァイは全身、包帯という不思議なファッションだ。


「待って下さい、エリザベス様。物事には何でもその事象を理解をしなければ出来ませんよ」


 イシュバリツィーアリツァイはゆったりとした動作でエリザベスの頭を触ろうとしたが自身の姿に気がつき手を引っ込めたがエリザベスはその包帯に包まれた手に触れた。

 その優しさに心温まったイシュバリツィーアリツァイだが鼻を摘んでいるようなくぐもった声が後ろからかかる。


「エリザベズざま、魔王ざまにおばなをづんでぎでぐだざい」


 サリーがいつもの笑顔でエリザベスに魔王様に花を摘んでくるように頼む。

 エリザベスはサリーがいつもと声が違うことに気づいたが、サリーを信頼しているので首を傾げながら頷いて何ども後ろを振り返りながら行った。


「ざでイシュバリツィーアリツァイざま、その臭いをどうにがなざっでぐだざい」


 イシュバリツィーアリツァイは心得ているように頷くが困った顔をする、と言ってもその顔も包帯に隠れていて分からないが。


「分かっていますが、私は世を憂いた身。もう自分に魔法を使うのは止めたのです」


 声の調子からして初老のようだが全身が包帯でしかも目元しか見えないため歳が分からない。


「・・では私がかけても構いませんね」


 相手の返事を待たずに、片手を振るった。

 見た目には分からないが先程の腐敗臭は消えた。

 



 イシュバリツィーアリツァイは元は名のある魔法使いだった。

 力があるため、更なる力を求めてしまった。


 それは永遠に生きることだ。


 イシュバリツィーアリツァイは優秀すぎるため呪文は成功したかに思えたが中途半端なものとなってしまった。

 彼の時は止まった、しかしそれは成長が止まるという不完全なものだった。

 通常死を迎えた生物はもう細胞の代謝は行われなくなる。本来ならば生物は常に新たな細胞を作り出し古くなった細胞を排出することで生命を維持している。

 だが彼の身体は腐敗するのに細胞は死なない、まるでゾンビのようになった。

 つまり彼は意識があるまま痛みも感じないまま徐々に確実に腐敗していく。

 だが身体の形は崩れない。体力は落ちない。彼はヒトとして生きることが出来なくなった。



 街を歩けば人に後ろ指を指され、嘲笑われ、自信を無くして消息を立った。


 イシュバリツィーアリツァイは世間では英雄として戦地で国のために亡くなったとされたが実は魔界に来て自分の居場所を探していた。

 そんな折に魔王様に拾ってもらったのだった。

 魔王様としては魔物の餌にしようと思ったのだがサリーがエリザベスの教育係と進言したためその通りにした。



「臭いは無くなりましたね」


 サリーは口で呼吸をせずに向き合った。

 後は薄汚れた包帯を変えるだけだが腐敗しきった身体を見たくないというのが本音だ。


「・・エリザベス様が来る前にしましょう」


 心優しいエリザベスのことだ、きっと自身の綺麗な手が汚れるのも構わないでこの男に触れるだろう。

 ちっと淑女らしかぬ舌打ちをして問答無用で何十年前もの包帯を剥ぎ取って、うっかりエリザベスが素顔を見ないように丁寧に巻いていった。











どこかで似たような小説を見たという方。。

そうです、少々どころか結構、パク・・いえいえ学ばせて頂いております

作者の方、すみませぬm_ _m

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