IF
真っ赤に塗りたくられた天井からどろりと滴り落ちてくるアレ、は。
体中に紅が纏わりつき嫌悪感を覚える前に鉄臭さで吐きそうで、視界が紅に染まるころに壁から出てきた人型のソレの白くて黒い口がにたぁと気味悪く笑ったのを一発殴ってやりたかったけど腕も足も重くて動かなかったから断念した。赤い紅い朱い天井は白い床を埋め尽くして赤く紅く染まる床と反対に白くなって剥がれ落ちる天井の向こうにナニカを見たような気がしたところで人型の腕によって紅の海に沈められた。
ああ、あの向こうを見れたら私のこの訳の分からない現状に終止符が打てたかもしれないのに。
きっと、きっとあの紅の向こうに私の答えが在ったんだ