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自分を作り上げるのってどんな感覚?

作者: ぱや

自分を作り上げるってどんな感覚?


今日は雨なのでバスで登校することにした

バス停までは少し歩くのだけど傘に雨が当たる音が心地いいので悪い気はしなかった

バスに乗りひと段落ついたのでスマホを開きいつものプレイリストを聴く

学校まではバスだと数分なので一曲聴けるか聴けないかだ

僕はイヤホンを耳につけ自分だけの世界に浸る

その時だった

「自分を作り上げるのってどんな感覚?」

知らない曲名の曲が流れてきた

なんだこれは、アーティスト名も書かれてなくただそこに題名と僕がいた。

「あなたはどうして生きているの?」

「私はあなたが知りたくて歌ってる」

「なんであなたは自分を蔑ろにするの?」

こんなありきたりな歌詞だったが妙に引っかかってしまった

自分を作り上げる感覚?なんだそれ

声が出そうになった時にはもう学校に着いていた

焦った僕はとりあえずお気に入り登録だけして学校に向かった。

授業が全く入ってこない

あっという間に昼休みになり友達とのお話も少々にして僕はすぐにスマホを開いた

するそこにはやっぱりあの曲がある

ただ何か違和感がある

今朝聞いたリズムや歌詞じゃない気がする

「私のために生きて」

「死にたい消えたいも異常じゃない」

こんな歌がイヤホン越しに脳に響く

「自分を作り上げるってどんな感覚?」

この曲名が気になってしまってしょうがない

「いつまで自分を隠すの?誰もあなたを嫌わないからね」

これが最後の小節だった

そして最後の小節だけノイズがないはっきりとした発音で聞こえた

この声は……

僕は家まで走った

扉を開けてただいまも言わずにあの場所に向かった

「なんで君の声がするの?」

仏壇に向かって僕は問いかけた

今はもういない最愛の妹だ

その瞬間携帯からあの曲が流れた

「自分を作り上げるってどんな感覚?」

「私にとってあなたは一番大事な存在だよ」

「だからもう自分を責めないで」

「自分を作ることを拒まないで」

涙が頬を伝う感覚が撫でられてるみたいで妙に心地よかった

「ありがとう、僕は前を向くよ、自分を持つのはとても怖いけど頑張るね」

今日も今日とていつもの日常だ

でも一つだけ変わったことがある

誰になんと言われようと僕は僕だ。

「おはよう」


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