第二百四話:彼が本気を出すと『なに』が起きるのか
「ワタシのターン! スタートフェイズ!」
ターンを開始するや、鳳凰院の姉こと茉莉花は自分が乗る車両を俺の隣に併せてきた。
装着しているヘルメットがヘッドホンとマイクも兼ねているので、周りがうるさくても会話は容易にできる。
便利なシステムだ。
「さぁ天川ツルギ。貴方の余裕を崩してあげるわ!」
「そりゃあ楽しみだな。俺より先に事故るなよ」
「御心配は不要。事故の一つを恐れるようなファイターに興味はありませんわ……無論、ワタシ自身も」
そう言うと茉莉花はアクセルをベタ踏みしたのか、急加速を始めた。
突き進む先、AR空間にはギミックパネルが1枚出現している。
当然それは茉莉花にも見えているはずだ。
「アイツ、自分からパネルを踏み抜く気か!?」
メリットもデメリットもあるが、どんなカードが発動するかは分からない。
そんな不確定要素を、あの女はいきなり踏んで活用する気なのか。
ランキング戦でやるなんて度胸があり過ぎるだろ。
「恐れは停滞! 開拓の心なくして勝利は掴めませんわ!」
そして茉莉花の車両がギミックパネルを踏む。
ルーレットが始まり、発動するギミックカードが決定した。
『ギミックカード〈ダブルプレゼント〉を発動します』
「効果は……大当たりのようね」
俺も小さな仮想モニターに表示された効果テキストを確認する。
ギミックカード〈ダブルプレゼント〉。
発動コストはなしで……デッキから2枚ドロー!?
「無条件の2ドローって、そんな大当たりもあるのかよ」
流石にそうなると話が変わるぞ。
追い詰められた時に、一か八かでギミックパネルに突っ込むのも選択肢として出てくる。
こうもシンプルに強力なメリットが出てくると、ただ堅実に戦うのも難しくなるぞ。
茉莉花:手札5枚→7枚
「さぁ、ここからがワタシの舞台よ。ワタシは手札を1枚捨てて〈アイス・アナスタシア〉を召喚!」
車両で走りながら召喚されたのは、氷のように冷たい印象を与える白と青のドレスに身を包んだ令嬢。
無表情の少女型モンスターは、現在のファイト形式の都合により、茉莉花が運転する車両の隣に並びながら浮かんでいる。
……絵面がシュールだな。
〈アイス・アナスタシア〉P7000 ヒット1
「〈アイス・アナスタシア〉の召喚時効果を発動! デッキから『バトラー』と名のつくモンスターを1枚選んで手札に加える。ワタシはデッキから〈ザ・バトラー〉を手札に!」
令嬢の効果で執事をサーチか。
洒落た効果デザインだけど、現在進行形で相手している身としては全く嬉しくない。
「手札に加えた〈ザ・バトラー〉を召喚」
続けて召喚されたのは、いかにも品のある老齢の執事。
茉莉花の使う【絢爛】デッキの優秀なサポートカードだ。
〈ザ・バトラー〉P6000 ヒット2
そしてあの執事が召喚されたという事は、能力も使うはず。
「ワタシはライフを2点支払い〈ザ・バトラー〉の効果を発動! ワタシの場に〈従者トークン〉を1体召喚するわ!」
茉莉花:ライフ9→7
〈従者トークン〉P1000 ヒット4
老執事の能力によって、新たに若い男性従者が召喚される。
あのトークンはヒット数こそ破格だが、攻撃ができないというデメリットを抱えている。
では何故そんなトークンを呼び出したのか。
答えは茉莉花の使う系統:《絢爛》の専用能力にある。
「ヒットの合計は7。つまりそういう事か」
「あら知っていたの。なら花丸をつけてあげるわ! ワタシは〈アイス・アナスタシア〉の【セブンブラスト】を発動!」
能力の発動宣言をする茉莉花。
系統:《絢爛》のカードが持つ専用能力【セブンブラスト】。
その発動条件は自分の場に存在するモンスターのヒット数が合計7ちょうどである事。
わざわざ攻撃できないトークンを呼び出したのも、この能力の条件を達成するためだったんだ。
「効果でワタシは〈ザ・バトラー〉と〈従者トークン〉を破壊して、デッキから系統:《絢爛》を持つモンスターを1枚選んで手札に加えるわ」
「それで終わらねーだろ、そのお嬢様はよ」
「その通りよ。デッキからモンスターを手札に加えた後、〈アイス・アナスタシア〉は自身のヒットを0から7の任意の数値にできる!」
その代わり、ヒットを変動させたターンは攻撃ができないけどな。
それでも数値操作は【絢爛】では強力過ぎる武器だ。
「ワタシはデッキから〈【絢爛超令嬢】マリー・スカーレット〉を手札に加えて、〈アイス・アナスタシア〉のヒットを7にするわ!」
〈アイス・アナスタシア〉ヒット1→7
ヒットを7に固定。そしてサーチした進化モンスターの進化条件。
なるほど、俺に本気を出させようとしていたのは伊達じゃないって事か。
「進化条件は、ワタシの場のモンスターのヒットが合計7であること! ワタシは系統:《絢爛》を持つモンスター〈アイス・アナスタシア〉を進化!」
氷のような印象の令嬢は、真紅の魔法陣へと飲み込まれていく。
あの進化条件、結構面倒くさいのに上手いもんだな。
「絢爛に終わりはなく、汝が栄光は永遠に輝き続ける! ただ我が儘に、贅を尽くしなさい! 〈【絢爛超令嬢】マリー・スカーレット〉を召喚!」
真紅の魔法陣を突き破り、真っ赤なドレスに身を包んだ令嬢が召喚される。
ウェーブのかかった金髪と共に、高貴さや強大さを放つ【絢爛】のSRカードが姿を現した。
……やっぱりアニメでも見たモンスターが目の前に出てくると、ちょっとテンション上がっちゃう。
〈【絢爛超令嬢】マリー・スカーレット〉P13000 ヒット4
「いくわよ。〈マリー・スカーレット〉の召喚時効果を発動! ワタシの墓地からヒット2以下のモンスターを2体まで召喚できる。復活しなさい〈ザ・バトラー〉〈ナイト・バトラー〉!」
魔法陣が出現して、茉莉花の場に2体のモンスターが復活する。
片方は先程も召喚されていた老執事。
そしてもう片方は仮面をつけて、燕尾服に身を包んだ若いイケメン執事であった。
いつに間に墓地にって思ったけど、恐らく〈アイス・アナスタシア〉の召喚コストで手札から捨てておいたんだな。
〈ナイト・バトラー〉P10000 ヒット0
「〈ナイト・バトラー〉の召喚コストで、ワタシはデッキを上から4枚除外する」
(ほぼ誤差みたいなコストだな)
「続けて〈ザ・バトラー〉の効果発動! ライフを2点支払って、今度はデッキから系統:《絢爛》を持つモンスターを1枚選んで手札に加えるわ!」
「クソっ! 一回場を離れたからターン1制限もリセットかよ!」
一応〈ザ・バトラー〉の効果は1ターンに1度の制限がある。
しかし同名カード全体にかかる制限じゃないので、一度場を離れてしまえば何度でも使えるのだ。
こういうプレイングを使いこなせるあたり、やっぱり九頭竜さんをライバル視するだけはある。
茉莉花:ライフ7→5
「ワタシはデッキから〈【絢爛令嬢】エリザベート・ファング〉を手札に加えるわ」
「……良いのか? いきなり2枚もSRを出して」
「他の方ならいざ知らず。貴方を相手するなら、これでも足りないのではなくて?」
「買い被ってくるじゃんか。そんなに本気を引き出したいのか?」
「ワタシ達はファイター。相手の本気を引き出して、その驕り高ぶった余裕を打ち砕く事こそ本懐ではなくて?」
茉莉花の言葉を聞いて、俺は思わず笑い声が漏れてしまう。
あぁ、こういう言葉にワクワクを感じてしまうあたり、やっぱり俺は根っからのカードゲーマーらしい。
「良いなそういうの。俺はそういう思想が大好きだ」
「そう。だったらワタシの戯れに付き合ってもらうわ! ワタシは場の〈ザ・バトラー〉をコストで破壊!」
老執事が砕けて消滅すると、そこから新たな魔法陣が出現する。
「汝が血を贄に、我が永遠の美を手に入れる。絢爛の極みたる姿を見よ! 〈【絢爛令嬢】エリザベート・ファング〉召喚!」
そして現れたのは2枚目のSRカード。
赤い髪を靡かせている、美しい令嬢型モンスターであった。
〈【絢爛令嬢】エリザベート・ファング〉P9000 ヒット3
「これでワタシのヒット合計は7。〈マリー・スカーレット〉の【セブンブラスト】によって、相手モンスターは全てヒットが−3となる」
全体ヒットマイナス。
サモンではあまり相手にしたくない能力だ。
実際他のプレイヤーからも「げっ!?」といった声が聞こえてくる。
だけど、ある意味一番厄介なのは……
「ぬっふっふっ〜! すずの〈フルメタル・トイ・キーパー〉は、墓地に系統:《従玩》を持つモンスターが4枚以上ある限り、相手によって選ばれず、お姉様の《絢爛》モンスターの効果を受けないデス!」
これなんだよな〜、流石は双子姉妹といったコンビネーション。
タッグもいけるし、こういうバトルロイヤルでも上手く立ち回ってくる。
相手するのが大変だな……普通の人ならの話だけど。
「ワタシはこれでターンエンド」
茉莉花:ライフ5 手札5枚
場:〈ナイト・バトラー〉〈【絢爛令嬢】エリザベート・ファング〉〈【絢爛超令嬢】マリー・スカーレット〉
ターンを終えると、茉莉花は再び車両を俺に併走させてきた。
「さぁ天川ツルギ。ドライブはまだ始まったばかりよ」
「そうだな。この後まだターンが続くし」
「余裕なのね。集中放火を恐れてもおかしくはないのに」
「そんなのを怖がる奴がバトルロイヤル方式のファイトに挑むわけないだろ」
それに……
「今のうちに防御手段を準備しておけよ」
「なにを」
「俺は言ったからな? ドライブを長く楽しみたいなら、今のうちに防御を固めろって」
やや困惑気味の茉莉花だったが、俺はもう言うべき事は言った。
あとは他の奴らがどれだけ守りを固めてくるかだ。
いや、違うか……平凡の殻を破るような守りを準備するか否かの話だな。
(手札……揃ってるんだよな)
勝利に必要なパーツとなるカード。
墓地も含めて全て揃っている。
だから守りを固めろ、あるいは俺を倒しに来い。
(本気を出す試運転。簡単には倒れてくれるなよ)
そして4人目のプレイヤーのターンが開始される。
最初のターンは誰も攻撃ができない分、ここからが少し長い。
だったら今はドライブでも楽しみますか。
『マックス・バァァァストォォォォォォォォ!(近づいては遠のいていく絶叫)』
だからアーサーうるさい。
あっ、負けたっぽいジェットコースターがホームに帰還してる。アレそんなシステムなんだ。
そんな事を考えている間にも、ターンは経過していく。
最初のターンだから無難に場を固める奴が多い。
これ自体はバトルロイヤル方式だとよくある光景だけど……やっぱり今回はギミックパネルがある分、予想外の挙動も発生する。
『ギミックカード〈インスタントバリア〉を発動します』
「次の自分ターン開始時まで、効果ダメージを1点軽減か。悪くない」
『ギミックカード〈ビックリトレード〉を発動します』
「えっと……手札を1枚捨てて、ランダムな相手モンスター1体と自分のモンスター1体のコントロールを入れ替える!? なにそれぇ!?」
ギミックパネルを踏んだ面々が色んなリアクションをしている。
なんというか、第三者視点で見たら面白いんだろうな。
『ギミックパネル〈サンダースピア〉を発動します』
「相手プレイヤー1人を選んで3点のダメージ? そんなの選ぶ相手は1人しかいねーんだよッ! 天川ツルギを対象に選択!」
「そいう効果ダメージ対策で出しておいたんだよ! 俺は場の〈チューライトの修道女〉の効果でダメージを1点軽減する」
ツルギ:ライフ6→4
とはいえダメージは発生する。
そう、ダメージによって俺のライフは減った。
おかげで色々と手間も省けたし、この後の動きもやりやすくなった。
『ギミックカード〈トリプルカッター!〉を発動します』
「ヒット2以下のランダムな相手モンスターを4体破壊? とりあえず行ってこい!」
誰かが発動したギミックカードによって、4つの刃が飛んでくる。
そのうち2つの刃は……まさかの俺の場に飛んできた。
「えっ?」
呆気なく破壊される〈ジャスパーの竜闘士〉と〈チューライトの修道女〉。
なにがランダムな相手モンスターだよ!
なんで4分の2が俺のとこに来てるんだ! クソエイムカッターに改名してこい!
『ギミックカード〈ガム踏んじゃった!〉を発動します』
そして10人目が踏んだギミックパネルが起動する。
今度はどんな効果なんだ。
俺はそう思いながら、小さな仮想モニターに表示されたテキストを確認する。
「……はずれ(全員減速する)?」
原文ママである。
そ、そんな何もないハズレとかもあるのか。
「クソっ、ターンエンド!」
何も起きなかったからか、悔しそうにターンを終える10人目。
これで一周したので、ついに俺の第2ターンがやってくる。
「……俺のターン。スタートフェイズ。ドローフェイズ」
ドローフェイズとアタックフェイズが解禁される。
つまり俺は攻撃を仕掛けられるという事だ。
俺は茉莉花の隣へと車両を移動させる。
「おい鳳凰院姉。もう一回言っておくぞ……防御の準備はいいか?」
元より政帝を相手にするため、本気を出す試運転を兼ねているファイトだ。
やる事は変わらないとはいえ、一応俺は予防線くらいは張っておくぞ。
この世界で俺が本気を出すという事が、どういう事になるのか……その答えを見せてやる。
「俺のターン!」
スタートフェイズ。ドローフェイズ。メインフェイズ。
目指すゴール地点に向けて、カードを使っていく。
「まずは〈オブシディアン・アンノウン〉を召喚!」
俺の場に出てきたのは、黒い靄から竜の翼や頭部がチラ見えしているモンスター。
黒曜石の名を持つ通り、見えている竜の身体は黒い。
命名法則から外れているが、これでも系統:《眷属》のモンスターだ。
〈オブシディアン・アンノウン〉P7000 ヒット0
「〈オブシディアン・アンノウン〉の効果発動! 墓地のアームドカードを1枚デッキの下に戻して、墓地から系統:《魔獣》か《眷属》を持つヒット1以下のモンスターを召喚する! 来い〈ルビーの魔術師〉!」
〈ルビーの魔術師〉P1000 ヒット0
俺の場に赤いマントを身につけた、白いウサギの魔術師が現れる。
そのままライフを2点支払い、俺は〈ルビーの魔術師〉の効果で〈カーバンクル〉を手札に加えた。
『やっとボクの出番っプイ?』
「あぁ……だけど今回は、本気モードの試運転だ」
『なるほど、じゃあボクもやる気全開でいくっプイ!』
どうでも良いけど、デジタル状態のカードからでも会話できるんだな。
化神ってスゴい。
「奇跡を起こすは紅き宝玉。一緒に戦おうぜ、俺の相棒! 〈【紅玉獣】カーバンクル〉を召喚!」
「呼ばれて飛び出てキュップイ!」
〈【紅玉獣】カーバンクル〉P500 ヒット1
「魔法カード〈夢幻夢想大図書館〉を発動。デッキを上から7枚オープンして、系統:《夢幻》を持つモンスターを全て手札に加える」
手札に加えたカード:〈【幻翠鳥】カーバンクル・サムルク〉〈【幻紫公】カーバンクル・ヴァンプ〉〈【幻黄雷】カーバンクル・ミョルニール〉〈【幻紅獣】カーバンクル・ビースト〉
「自分のライフが4以下の時、手札を1枚捨てることで墓地からこのカードを発動できる。俺は墓地から〈ザ・ビーストゲート〉を発動! デッキから系統:《魔獣》を持つモンスターを1体手札に加える」
そして俺は、目当てのカードを手札へと持ってくる。
こいつの系統は《魔獣》《幻想獣》そして《夢幻》。
前の世界で何故【カーバンクル】というデッキが猛威を振るった時期があったのか。
何故【カーバンクル】というデッキから禁止や制限をかけられたカードが複数枚出たのか。
「これがカーバンクル第7形態にして最強形態」
俺はモニターを操作して、手札に加えたそのカードを使った。
「進化条件は『カーバンクル』と名のつくモンスター1体を含む、系統:《幻想獣》か《魔獣》を持つモンスター3体!」
場には〈【紅玉獣】カーバンクル〉、そして幻想獣の〈ルビーの魔術師〉、魔獣も持つ〈オブシディアン・アンノウン〉。
融合進化の条件は達成している。
「融合進化!」
「これがボクの融合パワーアップっプイ!」
3体のモンスターが巨大な魔法陣への飲み込まれていき、カーバンクルは新たな姿へと変化していくのだった。
◆◆◆◆
ツルギが切り札を出す様子は、アトラクションの待機エリアに設置されたモニターにも映し出されていた。
ソラや他の生徒達もその様子を見ている。
だからこそ、彼らは嫌でも知ってしまったのだ。
天川ツルギが本気を出すという事が、どういう事なのかを。
『魔法カード〈セブンソウル・リバース〉を発動!』
後に鳳凰院茉莉花は、このファイトに関して九頭竜真波に次のように語った。
彼は決して相手を侮っているから本気を出さないのではない、彼は自分というファイターを理解しているからこそ本気を出さなかったのだと。
「あれが……ツルギくんの切り札」
待機エリアのモニターから視線を外せず、ソラはただそう口にする以外に何も言えなかった。
それは他の生徒も同様。特にツルギを知る者ほど言葉を失ってしまう。
彼の持つ力の強大さ、自分と彼の間にある圧倒的な壁の高さを、嫌でも思い知らされてしまった。
〈【幻婪魔獣】カーバンクル・ジョーカー〉P49000
黒い衣服と仮面を身につけた、獣人のような姿のカーバンクル。
その圧倒的なパワーを前にして、モニターの向こうでファイトをしている他の生徒達も言葉を失っていた。
だがそんな事、ツルギには関係ない。
『【無限奥義】発動。いけ〈カーバンクル・ジョーカー〉!」
そこから先は、あまりにも一方的な蹂躙劇であった。
まともに抵抗も防御もできず、ただライフを粉砕されてしまうのみ。
『うわァァァァァ!』
『ぎゃァァァァァ!?』
『そ、そんなの無理ィィィ!』
モブ生徒①〜③:ライフ9→0
『なんだよ、それ』
『ダメだ……勝て、ない』
『これが、天川の本気』
『ち、チクショウ』
モブ生徒④〜⑦:ライフ9→0
『なんなんデスかそのモンスター!? なんでそんなトンデモ盛り合わせ能力してるんデスか!?』
『そういうカードなんだよ! いけ!』
『デスぅ!?』
鈴音:ライフ7→0
『そう、これが貴方の本気なのね』
『ご注文通りのやつだぞ』
『そうみたいね……面白い人』
『いつでもリベンジファイトは受け付けるぞ』
茉莉花:ライフ5→0
ツルギ:WIN
ファイトが終了し、全ての車両が初期位置へと戻ってくる。
だが周辺の音ばかりが聞こえてきて、ゴーカートエリア内のからは人の声が消え去っていた。