1/6
① 日課の散歩
今朝も、日課の散歩に出掛けたおじいさんは、
古くて小さな【おふだ】が落ちている事に気づいた。
「どうしてこんなところに…」
家に持ち帰り手ぬぐいで優しく拭いて、神棚へ。
「おはよう。さぁ、お食べ」
と縁側にいる愛猫に餌をあげてから、朝食を食べる。
しばらくすると、庭にある小さな畑へ。
自然豊かな村なので、どの野菜も良く育つ。
なので…自分で食べる分以外は、
「少しですが、良かったら…どうぞ」
と言いながら、ご近所にお裾分けする
優しいおじいさん。
「おじいさんの野菜は、美味しい」
「いつも新鮮な野菜をありがとう!」
「何かお礼を…」と言っても、
「喜んでもらえるだけで、充分じゃ…」
と笑顔で、村のみんなに慕われているおじいさんは、
いつもと変わらない日々過ごしていた。すると…
「ニャン」
と愛猫が突然鳴いた。
その方向を見てみると【おふだ】が光っている…
見つけた日から1カ月の時間が過ぎていた。
あまりの眩しさに思わず一瞬目を閉じた。
次に目を開けて
「信じられない…」
と驚くおじいさんが
見たのは、とても懐かしい光景だった…