プロローグ
数多の小説を読み満を持して書いてみようか!なんて大それたものではありません。
文章力も語彙力も平々凡々。ですが、いわゆる今流行りの異世界転生、異世界転移ってすごく夢のある物語だなぁとあらゆるアニメを見ていて思っていて。何がそうさせるのかというのがすごく明確で、ゲームのような設定を付けたり、レベルという目に見える強さの指標があったり、なんといっても現実世界の科学力だったりファンタジー知識を駆使するところがまたいいと思うんです。
とはいえ、このジャンルは今、世の中に溢れかえっているというのが現実で被らないようにするのも大変だと思いますが、執筆する自分が楽しく物語を作っていけたらいいなと思っています。気が向いたらお付き合いいただければ幸いです。
齢93にしてようやく、この時を迎えることが出来た。
傍らにはその小さな両手で私の右手をぎゅっと握る幼い少年。これは私の曾孫だ_
その後ろにはその少年の両親、孫とその嫁がいる。その隣には、ほうれい線や目尻の皺が目立つようになってきた娘がいる。
足元には髪の半分に白髪を交えた息子とその嫁。
その子供は生命を宿した大きなお腹を抱え旦那と寄り添いに私の左側にいる。
その家族たちの後ろに数十人の親戚や縁の深い者達がいる。
枕元には艶やかな生花とにっこりと微笑む6年前に逝去した妻の遺影が飾られている。
皆一様に瞳に涙を溜め、それでいて朗らかな顔をしている。
「みんな..良く来たな。そろそろお迎えの時間だな。」
「親父、お疲れ様。ゆっくり休んでくれ。ありがとう。」
「おおじいちゃん!僕もおおじいちゃんみたいなすごいひとになるね!」
「_...」「_...」
皆、口々に感謝や別れの言葉を手向けてくれた。
「あぁ_。いい人生だった。ありがとう。」
安らかに目を閉じると、ゆっくりと心臓は鼓動を止めた。
気が付くと、ぼんやりと地面があり、明るいどこまでも続いていそうな空間を漂っていた。
ここへ来るのは2度目だ。
あたりを照らすように少し上空から光が段々と強さを増していく様に現れた。
『お疲れさまでした。今回は良き人生を送れましたか?』
光の中から澄んだ聞くからに美しい声色の女性の声が聞こえ、光の収束と共に背に白い翼を持つそれはそれは美しい女性が現れた。
「お久しぶりです女神様。御陰様で...良い人生を歩むことが出来ました。」
「これで《あの世界》もきっと救える事でしょう。」
『やはり、その為の今世だったのですね。』
「はい。その為に生きていましたので。」
『知っていますよ。貴方の努力と研鑽の日々を。時折様子を見ていましたから。』
『良いでしょう。貴方をあの世界へ再び...。』
「_...。」『_...。』「_....」 .......。
『準備は整いましたね?』
「はい。お願いします!」
辺りが光に包まれ、意識と共に光に飲み込まれていった。