許しを乞う偽物
ようやく彼が来た
紅茶を飲めば目が覚める
ついでに頭も回る
いつもの彼と違う
約束した時間になって
それでも来なかった彼は
いつも通りの彼だ
彼は謝罪する
紅茶を一口飲んで
共に飲み込み頭を回す
彼の謝罪の言葉はいつぶりだ
嘘偽りのない心からの謝罪
だからこそ彼ではない
彼の口から紡がれるクサい台詞
頭を回して回し続けて
彼の真意を聞きたくて
彼に尋ねてみることにした
彼自身は本物か否か
偽物は簡単に口を開いた
心を入れ換えたから
だから許して欲しい
彼を返して欲しかった