6. むなしい日々
VTuberを見て、楽しむ甘い日々が過ぎていった。
二人のは配信は人気が出ていて、メンバー数、同時視聴者数からもそれは読み取れた。
さらに、エルナ、サーラともに案件と呼ばれる企業をプロモーションする案件が増えていった。
初め、俺は応援していた二人が有名になっていくことが、自分のことのように嬉しいと思った。
自分が素晴らしいと思うものをみんなが素晴らしいと思うという、一体感。嬉しかった。
ところがである。それに伴って、二人とも多忙になり配信時間が短くなっていった。
さらには、二人がそろうタイミングがないのか、それぞれ個別に配信することはあっても、
コラボすることが少なくなっていった。
何か寂しく虚しい気持ちになっていた。
エルナ、サーラの配信を見てはいるが、心なしか二人も元気がないように感じた。
そんな中で、いつものようにエルナのメンバー限定配信を見る。
今日は雑談する配信のようだ。
「今日はメンバーのみんなからのメッセージを読んでていきます。」
から始まり、会話デッキとして、今週あったこと、コラボについて、話が始まる。
通常の配信と違い、心情を吐露してくれる場面が多く、親近感が強くなる。
"今日も配信楽しいけど、またサーラちゃんとコラボして欲しいな"
俺も投げ銭を入れて、メッセージを送る。
「あ、カフェオレさん、いつもありがとう。サーラとのコラボはぁ……。
今二人とも忙しくて時間が合わなくてできてないんだけど。」
エルナは悲しい表情になって言った。
そして目をギュッとつむる。そして二パァと笑顔になった。
「来週コラボします!!」
"やった!!楽しみっみ"
俺はそうメッセージを送る。
二人のコラボ配信楽しみだなぁと布団の上で思う。
空い感じは消え、ワクワクを感じる。
でも、本当にこのままでいいのだろうか。
って、あれ、俺のこと認知してもらえてる?