表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

86/87

第1巻第2部第2節その23  「終りと始まり その5 」

「待て待て待て待て!!!!」

アーモア・ライトが制止する

「これは一体どういうことだ、何が起こってる

そもそもあの木は

いや、アトゥーラだ!

なぜだ! なぜ生きてる!

ざ、斬首は!」

「アレは化け物だぜ、俺は薄々わかってたんだ

アレは

完全に

息の根が止まるまで

殺し尽くさにゃならん

何度でもだ!」

グリモー・アナスが口元(ヨダレ)を拭いながら

もはや空っぽである箱車に詰め寄った

そして足元に近い すべらかな

暗赤色の墓石と 手作りのゴザを見下ろしたが

なぜか血の痕が見えない

空っぽの箱車越しに見える墓穴には縁近くまで雨水が溜まっていた形跡があるが

それも今やほとんど大地が飲み干したか 

むしろ洗われたように だが黒々と乾いている

草は青々と茂り黄金の花々は嬉々として咲き誇り

あの永遠とも思えた物質的な暗黒と

性悪な豪雨の痕跡はどこにもない

(ついでにいうと虫どもの姿も見事なまでにさっぱり見えぬ)

体の芯までも冷やし切り鎧や装具を三倍の重さにした

懲罰にも紛う水の暴威の形跡(アトカタ)も存在しない

突き抜けるような青空が何故かのしかかるように輝き

その中心である太陽がおのが軌道を傾けつつ

一日の最後の 黄金の欠片を振り撒き始める

あの片目の小娘があれほど見たがっていた

夕暮れ前の至福のひと時

あの豪奢な一幕が始まろうとしていた


十五人の男と女が一人、踏み荒らされた墓穴の周りから

ゆっくりと 一塊に

突然現れた一本の木の根方へ歩み寄ろうとしている

短い草がそよぐだけだった、平らかに先細る丘の先

その北縁に生えでた木はまだゆっくりと成長を続けている

夕日を浴び まさにそれを飲んでいる木は

はや緑金の 奥深く輝く衣裳を纏い始めている

樹高は既に40メルデンを超えシルバ・シルバをも凌駕する勢いだ

アトゥーラを呑み込んだ時 枝葉に燃え上がっていた紫色の火は

もはや跡形もない、いや、時折、青い燐光がちらつくように零れ落ちるのだが

主たる太陽の椀飯=黄金=振舞の前には影が薄くほとんど視認できない

その威容を前にいささか気圧された人間どもは慎重に

遠巻きにしつつ 何か間合いを測っているようだ

大きく広がった枝先はほぼ樹高の三分の二にも達し

巨大な影を草地に落とすが、その本体は崖の向こうに伸び

その根の到達範囲を見通すことができない

(木を相手取る時、その根の勢力圏を無視できないことは常識である)

まさに威容=異様というべきだった

「どういうことだ、説明しろ! ギドン!

あれはなんだ!」

アーモア・ライトの荒々しい声が響く

「わからん!」

いささか震えを帯びた、しかし明晰な声で大男は応え

長大な剣を左脇構えに、最も射程の長い水平斬りの溜めを作る

一撃で切り倒すつもりなのだ

そして言語に絶するその威力を知る家臣たちは

無言の内に主君の右斜め後方へとかたまりながら下がる

夕陽を浴びた木は平然と立ち尽くし

人間どもの背後、西方から吹くそよ風が

大地の尖兵、黄金に染まった青草どもを

一斉にそよがせ そのすべての葉先は

同じく緑金に輝く木にむかってひれ伏しているようにも見える

「ゆくぞ、ゲイルギッシュ!」

男はかつて鋼鉄の大城塞をも両断したという

無限の力を秘めた秘咒を念じつつ

剣を開く

鞘走る魔剣の響きは何か歌のようでもある

それは見るもの、聞くものの魂を奪う

無時間の時間

一瞬を永遠に感じさせる

超絶の剣技の現前だった

音速を超えた轟音が

魔剣の発する輝きが

太陽をも顔色無からしめる光景を生じさせる

そしてその衝撃波は巨木の幹の中央

大地より2メルデンの高さに

正確に届いている・・・



・・・

空間そのものが揺らいだか

目くらませる衝撃とともに

ゲイルギッシュの刀身が通過する

その中心にかすかな抵抗の音・・・

そして16人の人間がぐらつきながら目を開けた時

そこにはあの巨木の姿はなかった

ただし青草どもはさきほどまでと寸毫も変わらず

その葉先を緑金に靡かせある一点を指向している

セガムの鼻の北のはずれ

そこ

緑の草地ギリギリの端にアトゥーラが倒れ伏していた

弱々しくもがきながら立ち上がろうとしている

一糸まとわぬ蒼白の体は痛々しく もろく いまにも崩れ去りそうだ

が、その素肌の表面には透明な、羊水にも似た、しかし

いささか粘度のある液体が流れているようだ

その輝きはいやになまめかしく

少女の体に生まれたてのような

生々しい質感を与えている

四つん這いのまま

時に手を伸ばし前方の空間(ダイチ)を探るようだ

が手応えはなく虚しく背中から尻へとかけて

戦慄に似た震えが走る

左膝の下には赤い輪っかが燃えている

そう

またしても

少女に首はなく

その切断面には血の一滴も見当たらない



首はすぐそばに、手の届くところに転がっている

が さっきとは勝手が違うのか手はペタペタと大地をまさぐってはいるが

なかなかつかむことができない

アトゥーラは器用なことにその状態で舌打ちし

しかもため息までつく

碧緑の隻眼はゆっくりと瞬きながら

16掛ける2 つまり 32本の視線を平然と受け止め

ヤレヤレとばかりに首を振りたそうにするがもちろんそれはできない

「まったく、こんなことだろうと思ったわ」

そして見た目には全く邪悪な感じに舌を出し

おのが唇を嘗めた

「でも、ゲイルギッシュ、あんたはよかったわ、ありがと」

意味不明のことを述べやっと手が届く

娘は起き直り首をあるべき位置に置き据える

ややゾンザイな手付きである

そして左右に振りまた落っこちる心配の無いことを確かめると

すこしふらつきながら立ち上がった

そして極度の混乱の中にある16の視線を受け止めた



緑の草地は金色に燃えている

太陽はさきほどからさほど位置を変えず

祝福に似た光を撒き散らし続けている

「ああいいわ、ここがいい、それでこそ、ええ、」

アトゥーラは両腕を広げ肩の高さに持ち上げる

「次は誰?」

そして左手だけを下げ

臍の下のあえかな膨らみをなぜる

「ここにようがあるんでしょ」

「どうする、ギドン、あれは捨て置けんぞ」

アーモアとグレンゴイールが同時に呟く

「しかしそう簡単に滅ぼせるともおもえん」

ラン・カスイードが続く

「いや、殺す、だがその前に」

グリモー・アナスが進み出た

「いろいろ試させてもらう」

「おれもだ」

グエンドーが武装を解きながら口元を舐める

「このままでは終われん」

そして今や全裸となった男たちが

その数はあえて伏せざるを得ない

手には剣、棍棒、ナイフとロープを持ち

○起した○器を美しく光らせながら

震える小娘に詰め寄ってゆくさまを

藪睨みの娘は

丈高くスラリとした姉娘は

茫然と見つめている・・・



・・・

ウェスタ・サラザンが意識を取り戻した時

その体の下にあったのは



【後書き】

新年明けましておめでとうございます。

のっけから不穏かつ不健全ですみません。

このまま続けていいものか真剣に悩んでおります、

が、が、シャリーどんの良識に期待しようとは

思っております(そんなもんあるんか、といふ声もチラホラ)。

どうか本年もよろしくお願い申し上げます。


姉上はご機嫌ナナメなので敢えてコメントを求めておりませんです、

ハイ、なにせ初出勤が4日の日曜日なんです、

せめて5日の月曜にせえや、と息巻いておられますので

コワクて近付けません。

とはいえ、かくいうワタクシめも初出勤は同じ日曜日、

トホホであります

いえ、正月から愚痴だらけなんて許されませんです

今後の展望を、せめて一年の計は元旦にあり、なんですから

いえもうあと数時間で三日ですが、

述べて作らず、じゃああなくってええ、

述べて終わりたいと、思いますです、ハイ、

で、今年中には第1巻を終わり、まとめ本を

なにかしっかりした形で出したいと思っております、

○ンドルとか、なんか、そのへんで、

もちろん、特典てんこ盛り、サービスページ大爆発で、

ええと、頑張りたいと、


大爆発て、なにゆうてんの、そこは大激増、おおマシマシとか

いわんかいな、まったく語彙力ゼロなやっちゃな、

そんなことやからあのエロコオロギに舐められるんや

もちょっとシッカリしいや!


アネサマ、おかえりやす、ごぎげんうるわしゅう


ゴギゲンって、なに、感じ(漢字)ワル、あたしゃアレか

ダイドコのアレか、そりゃもうイチンチ台所こもらなあかん身にもなってみ、さんどさんどご飯考えて作らんならん身にもなってみ、

はあ、料理一つできん妹をもつとセツナイわな、


ああ、あねうえさま、でもあたくし、あなたの作るお料理に毎日生かされてる身として、いつでもこの身を捧げる覚悟はできておりますのです、

いかようにも


そんなもんいらんわ、それより聞き捨てならんのは

なんかキン○ルとかなんとかほざいてたような気がするが本気か

大言壮語もええかげんにせんとあかんねんで


いえ、○ンドルはやっぱり魅力かなっっと

ちょといろいろ下調べしてるだけのことでして・・・


それを一年の計に立てたらアカンやろが


そかな


甘すぎ

ろくなことナランわ、そんなことより

ええ加減アレの手綱締めんとあかんで、

どこ跳んでゆくかマジわからんで!


あねさま、それこそ不穏です、

縁起でもないです、


ほんまもう、正月からする話やないわな

このへんでおひらきにしよか


あねさま、あねさま、


なんや


あの、このごろなんですが、ちょっと本編でもこっちでも

例の、アタクシたちの、大本の看板、つまりアレが


なんじゃいな、


ほら、あれですやん、肝心の百合成分が希薄やないんかと

なんかお叱りの声が聞こえてきとるような、ないような

そんな気配がそこはかとなく


ああそれな、それはしゃあない、

まあ、ユリの定義にもよるしな、

ご不満はご不満として真摯に受け止めるしかないけど

アタシたちのユリの定義はそんなとこで揺らぎはせんやろ


でもアタシはやっぱりオトコは「ヤ」です!!!


アカンアカン、

それはやったら水掛け論になるだけや

アキラメ!


アネサマかてヤでしょ


そらな

そやけど ほら、世の中にはイロイロあるんや

妥協せなあかんとこもあるやろ


で、でも、やっぱし


そんなことゆうたら、アレ、

優生論、産科学、遺伝子工学の話になってまうわけや

はなから勝ち目なんてあれへんで


あねさま、おはなしが高尚すぎて全然わかりません!


ひらたくゆうたらやな、

子持ちの人妻に惚れても泣きを見るのはこっちばっかしやっちゅうことやがな


そんな殺生な


そう殺生

殺生けっこうや

それほどに

ユリの道は険しいゆうこっちゃ


落ちですか?


落ちやな!


20260102


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ