ストレスとの付き合い方。(アリマ編)
おっとっと、いっぺんこの子とは拳で語り合った方がいいかしら?紳士な僕は深呼吸で心のアリマ、おっと間違えました。悪魔を落ち着かせて、必死に俺の事を隠したいのか知らしめたいのかわからない挙動のピンク色に近づいて言う。
「思ったんだけど、別に俺の存在バレても良くない?」
「動いてるわ、動いてる気がするわぁ!悪霊だとしたら危険よぉ!」
背後で美女の指が俺をつい従いしている。本当に見えてるらしい、声は聞こえてないのかな?
慌ててたアリマは俺と美女の間に立ち塞がり小声で、
「田ノ中さんの存在は出来るだけ隠しておきたいっす。」
「なんで?」
「情報収拾とか貴重品の部屋の鍵を盗…お借りする時とかに居ない人間使った方が楽じゃないっすか…。」
歌うように犯罪予告をささやく天使見習い。
「あなた、あなたの後ろに居るわよ!悪霊に違いないわ!呪われてしまうわ!ずるいっ!」
美女が叫ぶ、怖い。そしてあの人、僕を悪霊にしたがりすぎじゃないかな?…ん、ずるいとか言った?…何が?
「何かよく分からない事言ってるけど、誤魔化しようがないくらいバレてない?悪霊じゃないって説明してくんない?」
「たかが人間のくせにやりますね。大概は嘘っぱちですが、この人はわりとガチめな霊能者なんすね。」
アゴに手を当てて悩ましげなアリマさん。
「えっと、そちらの乳デカ魔人…じゃなくってお姉さん。確かに霊は居るには居ますがコレは大丈夫な奴っす。」
と、アリマさんは意を決したように美女に説明を始めた。美女の乳が揺れる。うーん魔人かもしれない。
「大丈夫!?大丈夫ってどういう事?悪霊じゃないって事かしら?」
「この子はその…私に仕える守護…いやそれは言い過ぎっすね。…動物霊的なアレです。」
毒を吐ききってから無理矢理修正する癖は直したほうが良いね。心意的外傷を負っちゃうからね。
「動物?それにしてはずいぶん大きいし、邪念を感じざるを得ないわ。」
「細かくてウザッ。」
僕の耳にしか届かない音量の呟く、彼女はストレスを溜め込まない術を知っているようだ。