二周目 つくね担当
W国では元首のもと、軍の内部に諜報局がある。
ある日のこと、精鋭の職員が局長の元に集められた。
「突然だが、E国に配属されていた士官の3名が姿を消した。」
「姿を消す直前まで、諜報員らはX州で活動を行なっていた。何か質問は?」
諜報員の一人が問う。
「世を賑わせている魔導機の研究所があるとされるX州ですか」
「そうだ。魔導機に関してE国政府は一切口を閉じているが…恐らく3名の諜報員は何らかの情報を掴んだ事で消されたのだろう」
「諸君を招集したのは他でもない、消息を絶った諜報員の安否確認、そして魔導機の詳細を全て明らかにせよ。」
諜報局員の将校が言う。
「私は魔法理学を学び得ています。その見地から、僭越ながら申しますと例の魔導機は取るに足らない小事では?」
その時隣室から一人の文官が立ち入った。
皆がこの珍客に目を丸くした。
国家元首が直々に姿を見せたのだ。
「魔導機械の分野は未開の領域であるがゆえに、奴らの新たなシロモノが世に及ぼす影響は傍観できない。仮にも魔導機が我々を滅ぼす力を秘めているならば我らは敵を阻止し、また技術を盗み得る必要がある。君達が頼りなのだ。我らが国の命運は君達の手にある。」
「魔導機械ごときが国を揺るがすとは….世も末だ。」
そしてこの日、元首の勅令を受け、W国は新たに組織を設けた。軍諜報局員と魔法学者で構成され、これより特例の機関として混沌の世界で暗躍するのである….。