大人になるということ
ケイ「なあ、大人になるってどういうことだと思う?」
アイ「それはどういう意味で?成人するとかお酒が飲めるとかそうゆうこと?」
ケイ「いや、そうゆうことじゃなくてもっと精神的な意味で。俺は大人になるってことは自分の可能性を狭めるというか、いろいろ諦めることだと思うんだよ。子供の頃はいろんな可能性があるし何をしても許されるんだ。まあ、やってはいけないことはあるかもしれないけど。でも大人になるってことはいろんな可能性を諦めて何かを選ばなきゃいけないんだよ、もしそれがやりたいことじゃなくてもね。だから俺は大人になりたくないなーって思うんだよ。」
アイ「へー、なるほどね。私は某SNSで大人になるってことは依存先を増やすことだって言ってる人を見たわ。子供は親だけに依存してるけど大人になっていくうちに依存先が増えていって一つに大きく依存しなくなる。それが大人になるってことだって。でも私はもしできるなら一人で誰にも依存しないで生きていきたいなー、でもきっと無理なんだろうね。大人になるって大変だね、私も一生子供でいいや。」
ケイ「きっと一生子供でいることができるならそうしたい人は多いんじゃないかなー?でも大人にならないとできないことだってあるよ。子供は金銭的な面で不自由が多かったりするからね。でも大人になるってのはそれ以上に不自由な気がしてしまうよね。子供と違って自分の行動全てが自分の責任になるわけじゃん。きっとみんな大人になってからより子供の時のが楽しかったって人は多いんじゃないかな。」
アイ「でもいつだって過去は綺麗に見えてしまうものじゃないの?汚い過去なんてみんな忘れちゃうでしょ?だから誰だって今が汚く見えてしまうけど後から見たらいい思い出だった、なんてことがよくあるでしょ。だから子供の時のが良かったってのは一種の甘えなんじゃない?現実から過去に逃げる行為、とてもくだらないと思うわ。」
ケイ「アイって結構辛辣なのな。でも逃げちゃいけないって訳じゃないだろ?誰だって辛い時は逃げたくなるし投げ出したくなるものさ。そうゆう時、過去や未来が自分を救ってくれるかもしれないだろ。だから今努力することってその努力が実らなかったとしても未来で辛い時に過去に努力したって事実が自分を救ってくれるかもって思うと努力も無意味じゃないのかなーって思うよね。」
アイ「なるほどね、過去が自分の救いになる・・・か。その考え方はなかったわ。」
ケイ「でも俺たち人間って過去にどんなことがあったかなんて、なんとなく印象に残ったものしか覚えてないだろ。あの日はスマホで何した、とか電車の隣に座った人がどんな人だったとか一日一日を鮮明に覚えているわけじゃないじゃん。特に変化のないいつもの光景を見たり、習慣化した行動をしたところで特別何かを感じることはないだろ?じゃあそのどうせ忘れてしまう今という一日に何か意味はあるのかな?」
アイ「でも私達人間の人格ってそうゆう忘れてしまう何気ない日常を経て出来上がれるものでしょ?その習慣化された行動や見慣れた光景が今の自分を象っていると言えなくもないんじゃない?だから自分がどうゆう人間かって言うのを自分でもうまく説明できないのは忘れてしまった自分がいるからじゃないかな?」
ケイ「自分でも自分を忘れてしまう・・・確かに全てを覚えている人間はいないだろうね。つまり自分でも自分がよく解らないのにそれを他人に解ってもらおうだなんて気持ち悪いな。やっぱり人間同士がお互いを理解し合うなんてことは不可能なんだね、だから今までも人間は理解しようとしないで、受け入れてきたんだね。愛の何たるかを理解した気になってきたよ。」
アイ「ケイは話がぶっ飛びすぎてて意味がわからないわ。でも他人を理解することができないってところは同意だわ。同じ人間でもいろんな趣味趣向、性癖があったりするものね。不思議よね、同じ種族でもお互いのことが全然わからないなんて。」
ケイ「別にそれは不思議じゃないな。だって同じ人間って括りにされてても決して同じ生物ではないんだから理解できないって意味では犬も人間も微生物も変わらないさ。」
アイ「今日の雑談はこれくらいにしておこうか、私は早く家に帰って家事をしないといけないから」
ケイ「そうか、一生子供のアイも家事はするのか、大変だな・・・」
2人の会話についての感想とかお題についての自分の考えとかありましたら感想にて募集中。
毎回こんな感じでケイとアイが話すだけです。