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KOOL2

作者: 春乃 璃紗

 



『…なんでだぁ〜?』



グシャグシャ ポイッ










『…ん゛ーっ!?』



グシャグシャッ










『…何で描けないの〜っ?!』


グシャグシャ ポイッ
















〜KOOL

(きーぷ おんりー わん れでぃー!)〜




 


今日の天気はくもり。

お天気お姉さんがスカーフ巻いてたな。

(しかもヒョウ柄。どこで買ったのかな)



でも、屋上にいるあたしからは所どころに光が差し込んでるのが見えて。

(こーゆーの、天使の階段って言うんだって!)



そしてあたしは今日も、世界史の授業を飛び出してコンクールの絵を描く。

(日本人だから、日本史分かればいいんだよ、うん)



 


目に映るモノは、とても綺麗であたしの右手は、自然に動くのに、描かれたモノは全然違ったモノ。

(才能ない訳じゃないよ、調子が悪いの)




それもこれも、あいつのせいなんだ。


あいつとは、あたしの隣の席の佐久間 光。


学校で1番モテてて、

(あたしの1番はダントツで保健室の雅樹さんだけどね!あの渋さったらもう、ね!!)

八股だか、九股で、

(人妻にも手を出しただか!るみちゃんが言ってた!!)


それはそれは、とにかく危険なプレイボーイ。




 


そんなプレイボーイに、つい4日前にキスをされたあたし。

(それはそれは、吃驚しました)




さらに吃驚するのは、そんなプレイボーイに惚れちゃってるんじゃないの?という、新事実。



(あーもう、やだ)




まだ自分でも認めたくなくて、紛らわそうとするものの、調子がでない。



 


「まる、何ブツブツ独り言言ってんの?」


『っ?!何でいんの?!』




そこには、今あたしの絶不調の原因の彼がいた。




「にゃん太が怒ってたぞ、今月1回しか授業出てないって。」


(にゃん太って?)


「…え、まさかのシカト?」


『いや、にゃん太って誰かなって思って。』


「あぁ、世界史の猫田ん事。」


『…猫だから、ね。』

(くだらねー)






そーなの。とか言って笑いながら、春風を受けている横顔にうかつにもときめいた。



(ダメだ、ダメだ。しっかりするんだ、古丸 ゆか!)




シュボッ


『…?!』


すぐ横で火がつく音が聞こえたと思ったら、佐久間さん家の光くんがお煙草をお飲みになっていらっしゃる…!




おい、ここ学校だぞ。




 


あたしが怪訝な目で見ていることに気付いたのか、


「お前、煙草の匂いダメなの?」

って聞いてきた。



『…苦手って言っても吸い続けるでしょ。』


あたしは、

「まぁね、もったいないし。」とか何とか言うんだと思ってたのに、


「お前が苦手なら吸わねーよ。」って。




(ちょっと、なにこのドキドキ!!)




 


「お前だから、吸わねーの。」


わかる?と言うように、あたしを見る。



(全くもって分からない!!)


理解が出来ずに佐久間を見ると、あたしの口にほろ苦い味が。




「…お前がスキだから、煙草やめれんの。」


『う、そだ。』


「本当だっての。」




『…煙草はやめなくていいから、女の子切って?』


「ん、了解。」


『…人妻さんもだよ?』


「おう。」


『…じゃあ、あたしもスキ。』


「ありがと。」







あたし達が結ばれた時、神様が祝福してくれたのか、またひとつ天使の梯子が降りてきた。







 

(でも、何で煙草はいいの?)


(だって、その煙草の名前スキなんだもん)


(…は?)












〜KOOL

(きーぷ おんりー わん れでぃー!)〜



(一人の女を愛し続ける)


-END-

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