断章
ようやくお話が動いたといった所かしら……『傍観者』さん?
彼女は自分の守りたいものがどのようなものなのかを知った。
でも、一つ物事を知ればまた一つの謎が顔を出してしまったみたいね。
黒の少女とは何者なのか……。そして、その行動目的とは何なのだろうか?
その謎を解決する前に『傍観者』さんには再び眠りについてもらうわ。
あら、どうして続けてしないのかって思っているみたいね。何かしら? 焦らしているのか……とでも言いたいのかしら?
……別にそんなつもりじゃないわ。
そうね……あんまり意地悪だと思われても嫌だし、そろそろ理由を語ってもいい頃合いかしら?
まず、お話を立体パズルのようなもので例えてみるといいわ。順番を間違えると絶対に完成しない……。別々の個体を組み上げてから完成させるにしても、個体同士を繋ぐピースが欠けていたら完成はしないわ。
つまり、謎というピースが不足しているのに次に行ってしまうと、世界がまだ集めていない謎が欠落した不完全な状態で生まれてしまうの。それこそ『黒の少女』という言葉すらも欠落するような状態でね。
少々欠けた位ならば何とかわかるけれど、そこまでいくと意味が分からないでしょう?
どんなものにも順番というものが存在しているのは、仕方がないことなのよ。
だから、ピースを集めるまでは暫く我慢して頂戴。
では改めまして『傍観者』さんは眠りにつきました。
そして夢で見たものは、ある少女のお話の続き。