表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Lv.1の王様  作者: 小鳥遊 雨音
1/36

道の駅より

車、車、車。

人、人、人……。



今、私は関東の某道の駅に来ている。

荷詰めの引っ越しの作業も終わり、私達家族は自分達も移動するべく車で移動している途中だ。

長距離を車で移動してきたので、私だけではなく家族全員が疲れていた。

まだ引っ越し先には到着していない。

こんな陽気だから少し寄り道して息抜きをしても怒られないだろうと、運転していた父親が道の駅に車を回したのだった。


外は日が高く、春の陽射しが外にいる人も車にも平等に降り注いでいる。

家族連れが多いこの道の駅は、ここ関東でも有名なスポットの一つらしい。

完全に車が停まったのを確認してドアを開け、両親が降りて行った。

かわりに外の新鮮な空気が車の中に入ってくる。


私はこの春から、この県で高校生になる予定だ。

まだ何がしたいとか、そういう希望も目標となるものも何もない。

今はまだ流れに身を任せている途中だ。



「さや、降りないの?」

コンコンと窓ガラスを外から叩かれ、ボーッとしていた頭を切り替える。

「あ、行く」

直ぐに後部座席から広い外へと抜け出した。



大きな道の駅。

祝日だからか、人で賑わっている。

外にある屋台ではイカ焼きやソフトクリーム、牛串に長い列をなしており、売店へと続く入り口は人でごった返している。

ちょっとあの入り口はごめんかな。

苦笑しながら思った。

人混みに自ら行くのは苦手だ。

大きな道の駅の両脇は木々が生えており、左側に何やら道があるように見える。



「私、店じゃなくて外にいるわ。終わったら携帯に連絡して」

前を歩く母親に声をかける。

「分かったわ。車多いから、気をつけなさいよ」

「うん。大丈夫」



さて、親は撒いた。

今、私は気になっていた道の前に立っている。

下は茶色く細かいアスファルトに舗装されており、道の両脇には膝下程の柵が連なっている。

ちゃんと舗装されてる様に見えるし、よくある散歩道かな?

ま、何でもいいや。

車の長距離移動で疲れたし、とりあえず森林のマイナスイオンで癒されよう。


踏み出した事を後悔する事になるなんて、この時は本当に思っていなかった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ