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アプローチ?

 月に2回ほど王宮に通うことになったけれど、日常生活は特に変わらない。むしろ王宮に通ってることがわかって、貴族や大商人さん達からのアプローチは収まってきた。王族には敵わないって諦めてくれたのかな?

 貴族や大商人さん達からのアプローチが減ったことで、それに対応するという無駄な時間を費やすことなく、仕事に専念できた。


 王宮に着ていく服の問題も、数着は自分で用意したけれど、他は…。ミーナさんやシーラがお友達に聞きまくってくれたおかげで、借りることができるようになって解決。

 あとは仕事を頑張って貯金を増やす日々!



 そう、アプローチといえば…。王子様の視線が…。12歳の男の子からの視線にしては、熱がこもり過ぎている気がする。勇者一行だった私への憧れ的な王女様方の視線とは違って、恋愛的な何かのような…。私の思い違いだよね…?

 だって王子様は12歳。ちなみに国王陛下は32歳で、妃殿下は29歳だ。で、私は27歳。ほら、私は王子様のご両親とほぼ同年代なわけで。

 でも、この世界で私は幼く見られることが多いのも事実。10代に見られることも時にはあるから…。もしかしたら王子様は私の年齢を知らないのかもしれない。

 思い違いだとは思うけれど…聞かれてもいないけれど、次回は王子様に年齢をカミングアウトしよう! カミングアウトって…別に隠してるわけではないのだけど…ね。でも、万が一私の思い違いでなかったとしたら、伝えるのは早い方がいいものね!


 そして、次の王宮訪問日。あまり不自然にならないように、会話の中に織り交ぜるようにして、王子様方に自分の年齢を告げる。すると驚きの表情のあと、なにやら凹んだ王子様。同じく驚きの表情を見せたあと、王子様の方を残念そうに見つめる王女様方。

 あ、思い違いじゃなかったかも。ごめんね、早く年齢言わなくて…。私のせいじゃないとは思うけど、心の中で謝っておこう。

 きっといつか昔の笑い話になるはずだからね。



 それから数ヶ月。働き始めてから1年は経過している。渡航するための最低条件である【身分証発行後1年経過していること】はクリアした! ただ貯金額はまだもう少し心許ない。

 渡航費は時期によって変動が大きい。輸出品が多く商船が多く出る時期には渡航費も安くなるみたいなんだけど、商船が少なくなる時期にはかなり割高になる。そして今は、その割高の時期に当たって。今の時期に渡航するとなると旅費だけでギリギリいけるかどうかってところ。渡った後の旅費不足である。貯金額に余裕を持つためにも、渡航費の安くなる時期を狙うためにも、もう少し待った方が良さそうだ。


 そんな風に考えていたのだけど、王女様方とのお茶会に飛び入りで参加された国王陛下から驚きの提案が。

 これまでリーディア王国とナハト国とは特に国交はなかったそうで。しかし、今回ナハト国の【英雄ユーカ】がやってきた。



(私が自分で言ったんじゃないよ? 自分で英雄とか言わないから…。勇者一行のオマケのような存在だった私が英雄なんて…居た堪れない…)



 リーディア王国としては、ずっと王国に留まって欲しいけれども、いつかはナハト国に帰るという私。王国は【授けられた証】を持つ私に無理強いは出来ない。それなら私がナハト国へ帰還する旅に同行し、ナハト国へ赴こう。そして、それをキッカケにナハト国との国交を始められないだろうか、という話になったそうだ。

 また、いくら神級魔法を操れるとはいえ、自己防衛手段を持たない私を1人で帰すわけにはいかない。大使として赴く王子と外務大臣、護衛騎士などの一団とともに、ナハト国へと帰還してもらいたいと。



(まぁ…さらわれてリーディア王国に連れてこられた的なことになってるし…自己防衛手段無しと思われても仕方ないか。結界魔法使えば大抵のことは防げると思うけど、確かに1人旅はちょっと不安だしね)



 そう思った私は、その話をありがたくお受けすることにしたのだった。

ここまで読んでいただき、ありがとうございます。次話以降はまた数話書き溜めてから投稿します。

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