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打倒魔王!

「俺か?俺は魔王を討伐する為に、この世界に召喚された勇者だ。お前が魔王だな?」



「勇者…か。あぁ、そうだ。我こそがこの地を支配する魔王ディルハンだ。我を討伐とはおかしなことを。我は人間どもになど、簡単には破れはせぬぞ?」



「破れぬかどうかは、やってみないとわからない。いや、必ず俺達がお前を倒してみせる!」



 そう言うと、ディーンさんはすかさず先制攻撃に出た。光魔法で自らを強化し、魔王に剣を振るったのだ。


 その剣は魔王に触れることはなかったが、さすがの魔王も私達をたかが人間と侮るのをやめたようで、応戦の構えをみせた。


 ディーンさんが剣を振るい、ショーンさんがその拳を振るい、ギルさんがタイミングを計って大魔道を放つ。ギルさんは、2人のサポートも抜かりない。魔王も負けじと、大魔道を放ってくる。私は結界を張って、ディーンさん達が戦う後ろで待機。怪我を負った仲間に即座に治癒魔法をかけ、また戦線へと送り出すのだ。



 一進一退の戦いように見えたが、持久戦に入ってくると、治癒魔法を使えるこちらが、徐々に優勢となってきた。魔王は強靭な身体と魔法の力を持っていたが、治癒能力はないようで、ディーンさん達が与えたダメージが少しずつだが、確実に蓄積されていっている。


 それに対して、こちらは戦力が3人いるから、怪我を負った仲間を私の所に寄越して、その間は2人で魔王を食い止める。そして、すぐに私の神級治癒魔法で全回復。また戦力が3人に戻るのだ。


 私の魔力も無限ではないけれど、薬液は充分にある。戦いが何日も続いたって大丈夫な量だ。


 いくらダメージを与えても、全回復してくることに業を煮やした魔王が、私に対して直接大魔道を放ってきた!


 ビクッとしたものの…神級魔法の結界は揺るぎもしなかった。さすが、神級魔法!



 そして、魔王が私に直接大魔道を放ってきたことに対してブチ切れした人が、こちら側に1人。ディーンさんだ。今までも凄かったけど、ブチ切れてからのディーンさんの攻撃は怒涛のような勢いで、魔王も防戦一方に追い込まれている。



 その様子を見て、下手に2人の戦いに割って入らない方がいいと思ったのか、ショーンさんとギルさんは、サポートに回った。そんな2人の強力なサポートを得て、ディーンさんの力は更に増していき、ついには魔王を追い詰めたのだった。



「…最期に言い残すことはあるか?」



「我を倒しても、戦いは終わりはせぬ。時が経てば、また魔王は生まれるのだ。その理だけは…人間は決して覆せぬ」



 勇者の剣の前に倒れ、虫の息の魔王に問いかけたディーンさんに返ってきたのは、こんな返事だった。そして魔王は命尽き、チリとなって消えたのだった。人間と魔王との戦いは永遠に終わらないのだという、意味深な言葉を残してー・・・



 魔王の最期の言葉に考えさせられることは多い。【永遠に続く争い】その理を決めたのは果たして誰なのか…。


 しかし、いくら考えても答えは出ない。特に今は、10数時間にも及んだ戦いの直後なのだ。治癒魔法で回復はしているとはいえ、精神的にはグッタリだった。とにかくこの地を出ようと、この地へやってくることになった魔法陣へと向かう。魔法陣はもちろん結界で保護してきたから、問題なく使えるはずだ。


 魔法陣にたどり着き、魔法陣の状態を確認する。結界に守られて、まだ使用可能な状態を留めていることを確認し、早速2人ずつ魔法陣に入っていく。



(ようやく魔王を倒す事が出来た。たいてい魔王の討伐の後は、国王様に報告に行ってお褒めの言葉や褒章を授かるのが定番だよね。それで、いくつかイベントがあったりして…それで、ハッピーエンドを迎えるはず。結末を迎えたら今度こそ…!)



 夢から覚め、元の世界に帰れる日を思い描きながら、魔法陣へと入っていくユーカなのだった。

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