表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/54

魔王の情報を求めて!

 補給を終え、充分な休息もとることができた。今日は早朝から、町長さん達に見送られて出発だ。


 向かうは、最近魔物が多発しているという情報が上がってきている地域。魔物が活発な動きを見せる地域を虱潰しにしていきながら、魔王の情報を掴んでいくのが旅の目的だ。


 もちろん、魔物が多発して困っている人々を助けるのも大事な旅の目的だけど、元凶の魔王を倒さなければ恐らく魔物との戦いは終わらない。いくら魔物を討伐しても、いたちごっこになるだろう。魔王の情報は、どんな小さな情報も逃さないようにしなければならないのだ。



 この町を発って次の補給地に辿り着くのは10日と聞いていたから、少し油断していた。ナハト国とシュール王国の国境にあった深淵の森を旅した時よりも、短い行程だったからだ。でも、それは甘い考えだった。


 まず、最初に。私が旅慣れていないということで、国境を越える旅ではペースを抑えてくれていたのだ。でも、ずっとこのままのスローペースで旅をしていては、いつまでたっても魔王討伐は果たすことができない。というわけで、旅のペースが格段に上がったのだ。私はそのペースについていくのに必死だ。ギルさんが、身体を軽くする風の補助魔法をかけてくれなかったら…とてもついてはいけなかっただろう。


 そして、次に。深淵の森でも魔物はたくさん出てきた。深淵の森と呼ばれるくらいだから、森の中心部では本当にたくさんの魔物が襲ってきたのだ。しかし、町を発って最初の魔物の多発地域に辿り着いてみると、魔物の数は深淵の森の深部よりも格段に多かったのだ。しかも、一体一体の魔物の強さも、深淵の森よりも上だったのだ。



 今も…そんな強い魔物の群れに絶賛囲まれ中だ。狼型の二足歩行の、いかにも強そうな魔物達。そんな魔物が、私達の周りを30体程で囲んでいる。魔物の群れの中でもリーダー的な個体からは、魔法の攻撃も放たれる。


 もちろん、ディーンさん達の強さは揺るがないし、3人の連携も全く乱れがない。弱点があるとすれば…私だけだろう。情けないけれども…。皆は私のところまで魔物が迫ることがないように…そんな配慮もしながら戦ってくれている。



(レベルが違いすぎる…!)



 ようやく魔物の群れを討伐することができた。さすがに皆無傷とはいかないから、ようやく私の出番。まずは周囲に結界を張ってから、治癒魔法を唱える。皆あっという間に全快だ!


 ギルさんから、今日はここで夜を明かすことにすると声が掛かり、そのまま野営の準備に取り掛かる。魔物に気づかれないように、さっと調理を済ませ、夜ご飯を皆で食べる。食べた後は明日に備えて、ディーンさんと私、ギルさんとショーンさんのペアで、交代で見張りをしながら朝を向かえるだけだ。


 夜の間は私とギルさんが結界担当だから、私がペアを組むのはディーンさんかショーンさんということになる。だけど、何故だか毎回ディーンさんと一緒だ。



(ま、同じペアの方がやりやすいのかな?)



 というわけで、ディーンさんと見張りをするのも慣れたもので、他の2人を起こさないように気をつけながらも、会話を楽しむ余裕もある。魔物が出てきてもディーンさんが守ってくれるという、安心感があるからこその余裕なんだと思うけどね。


 会話を楽しむといっても、ディーンさんがおしゃべりってわけでもないから、私がたわいもないことをしゃべって、ディーンさんは聞き役になってくれている感じだ。私ばっかりしゃべっていて、つまらなくないかなって聞いてみたこともあるけど、『ユーカの話を聞くのは楽しい』と言われてしまった。満面の笑顔で…。二人きりの時の満面の笑顔は反則だと思います!!



 今回もそんな感じでおしゃべりをしながら数時間見張りをして、ギルさんとショーンさんに交代した。野営で寝心地が良いとは決していえないけれど、昼間の疲れもあって意外と熟睡できるものだ。



(さぁて、明日からも魔物の討伐を続けながら、魔王の情報探し頑張るぞ!)


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ