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極めて楽観的に、彼女は死を考える。  作者: 暇 隣人
夢を夢見る月曜日
16/33

S・Sが死んだ未来






「起きろ」


「…………」


「起きろ、君。もう朝だぞ。すがすがしい朝だ」


「……あさ?」


「そう。朝」


「……何時?」


「五時くらいだな」


「……ちょっと早すぎやしませんかぁ……」


「いいから起きろ! いい知らせがあるんだ。まずは顔を洗ってくるといい。それからご飯を食べよう。その後にいい知らせを教えてやる。さあ、早く! 起きろ!」


「わーったわーったあんまし騒がないでよ……あー……なんかすごく疲れてる……なんでだろ……」


「夢でも見たのか?」


「……見た。すっごい幸せな夢だった気がする」


「そうか。実は私も幸せな夢を見た」


「本当?」


「ああ。残念ながら、最後の最後で君に呼び止められてしまったがね」


「……?」


「まあそれはいい! それより早く準備だ! さあさあ、ご飯の方はよろしく頼むぞ」


「きみもいい加減自炊ってことを覚えたほうが……」


「必要ないさ。君がいるからな」


「……プロポーズのつもり?」


「そうかもしれん!」


「なっ、なんじゃい!? やけに自信満々じゃない!?」


「まあな! いや、もはや自信というより確信に近いぞ。うむ、間違いない。私と君は人生をともに歩む運命にある!」


「……よっぽどいいニュースが入ってきたみたいだね?」


「そういうことだ」


「……ちょっとだけでも、教えてくれないかなー?」


「まずは起きるべきじゃないのかぁ?」


「言ってくれたら起きるよ」


「ふん。脅迫とはいい度胸だな」


「いや脅迫ってほどのもんじゃないよね……」


「まあいい。それならちょっとだけ教えてやろう。耳を貸せ」


「はいはい……どうぞ」


「…………」


「…………」


「……ふふ……ふはは……」


「……? どしたの?」


「叶うぞ」


「……叶う?」


「そうだ――叶うんだ! 君の望みも、私の夢も……二ついっしょに、叶う時が来た! 君が望んだ未来も、私の夢見た未来も――すぐ目の前までやってきたんだよっ!」


「……へえ?」

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