大学/友達
大学の授業も次第に落ち着いてきた頃、僕には友達のグループができていた。
最初はものすごく気を使って場の空気を悪くしないように気をつけていたけれど、学校に来る回数が増えるにつれ、気の置けない仲になっていた。
「じゃぁまた明日ー!」
俺がみんなに言うと、みんなは
おーとか、じゃなーとか返事してくれた。
俺には学科の授業が終わってもまだやることがあった。
教職だ。
メンツの顔と名前はもう一致するほどになっていた。
結構話したりもする。
授業が行われる教室に入り、おつかれーと言葉をかける。すでに何人か来ていた。
そんななか、僕は1人の男子の近くに席を取った。
その男子とは、出身校がものすごく近場で、意気投合したのだ。
ちなみに僕とそいつはもとい男子校だった。
青春時代をむさ苦しい男の園で過ごし、とても女性に飢えていた。けれどもコミュ障を発揮する、というところもまた、意気投合のきっかけになった。
ちなみにそいつは、小早川純という。
純とは一番最初の授業で隣にいたことで知り合った。自己紹介のときに出身校を言ってからすぐ話しかけてきたのだ。
それからというもの、教職の時間は大抵近くに座るようにしている。
よく話すひとが近くに居てくれたらすごい楽だからだ。
さらに純は僕と学科が違う。
なので純と同じ学科の人も集まってくるので、教職の中では大きなグループになっていた。
グループという言い方は好きじゃないが、よく固まっていたからそういう言い方がベストなのだと思う。
僕「この箱なに?」
僕は純に聞いた。
純「あー、なんか相良がスポーツシューズ買ったらしいよ。」
僕「へぇー。どんなん買ったか気になる。見ても大丈夫かね。」
純「大丈夫大丈夫(笑)あけてみ。」
相良とは純と同じ学科の人である。
僕はそのとき、純の(笑)を聞き逃していた。
箱を開けると、そこにはシューズというには程遠いものが入っていた。
僕「うぉぁぉぅ!」
思わず後退りした。
なまもの危険だった。
それは今まで寝ていて、開けた衝撃で起きたのか、僕の叫び声で起きたのか、ニャーと小さな声で鳴き始めた。
思い描いていたシューズよりも遥かにかわいく、愛らしい猫がいた。
僕「猫やん!なして猫やん!?」
純「なんか里親で貰ったらしいよ(笑)」
僕が取り乱していることが面白いのか、純は相変わらず(笑)を含めて話す。
そこにちょうど相良さんが教室に入ってきた。
相良「あー!せっかく寝て静かになったのに!なにしとん!」
僕「いや、純が新しいシューズだから見てみって。そしたら猫でまじビビったわ。ごめん。」
相良「まあ、いいよ!そのうち見せるつもりだったし!それよりかわいいでしょ。この子。」
僕「めっちゃかわいい。貰ったって聞いたけど、どこから?」
相良「近くにラーメン屋あるでしょ。そこで野良がこの間子供産んで、さすがに困ったらしくてね。」
僕「まじか!」
相良「そのなかで一番かわいい子貰ってきたんよ。」
そっかーとぼくは相づちを打ちながら猫をずっと見ていた。
相良「はいお仕舞い。ストレスたまっちゃうからね。」
といって相良さんはゆっくり箱に蓋をして、ゆっくりイスの上に移動させた。
それからまもなく教授が教室にやってきて、授業が始まった。