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第4話:食とは命であり芸術なり

 第4話:食とは命であり芸術なり 2010年 11月 14日 (Sun) 17時 53分 16秒




 ……朝食か、地球に居た時はいかなる時もチアキが居たのに、異世界になってもやっぱり朝食はチアキも一緒だよ……小学生の時ダイエットしようとして朝ご飯残そうとしたら物凄い説教された挙句、朝に沢山食べるほうが良いし、脂っこい物を朝食べるほうがカロリーの消費も良いとも教えてもらった。


 あれ? もしかして私、原作より可愛いんじゃな_あ、メタですk_え? 自惚れるのもいい加減にしろですか……。


 にしてもさっきから今日着る服……薄くね!?


 「だだ漏れv」

 カーシャさんにやさしくメッてされました。へこむ。


 『ゴン』

 「痛!」


 あ、カーシャさんがチアキに殴られた、女性を殴っちゃ駄目だよチアキ?


 「お前たちは何をやっているんだ……? いい加減にしろ。しかたない、俺がやる。」


 チアキの一言というか一睨みで女性全員というか私たち2人以外が部屋から逃げ出した……怖ぇ……。


 そういえば私……お母さんかチアキ以外に髪の毛お願いしたこと無い!? まぁチアキに下心があったら異世界と現実世界が私の軽いくしゃみだけで消滅するよりもありえないね。


 まぁそれは置いて……。

 待ち焦がれていたご飯のタイム!


 「なぜ時間だけ英語にする?」


 うーちゃい、うーちゃい。


 色よく焼けてるパン(のようなもの)!

 とりどりのカラフルな野菜に彩られた、サラダ(のようなもの)!

 原型は解らないけど、おそらくこんがり焼けてるソーセージ(のよなもの)!

 湯気も美しい琥珀色のスープ(のようなもの)!

 おそらく果物ジュース(推定)に、ミルク(推定)、紅茶(推定)!


 「わあい。いただきまーす!」

 「どうぞお口にあうとよろしいのですが。」

 カーシャがやさしく微笑んでいった。そして私は猛然とダッシュをかけ_


 「ってあれ? チアキは食べないの?」

 「毒見はお前がやれ、俺はお前が食って不味かったら後で自分で調理して食う。」

 「私に不味いものを食えと!?」

 「イグザクトリー。」

 「お、鬼じゃ!」


 まぁいいや、兎にも角にも……ビーターラビットにもドラゴンの角にも、腹がすいていたから食べるものに集中する。

 マナーは後でゆっくり、じっくり教えてもらうので、今はどうぞ目をつぶってて! と思っていた。

 並べられた料理はどれもいい香りで、美しい彩で、わたしの食欲を刺激する。

 それが私の胃袋に入るのが待ち遠しいとばかりに誘うのだ。

 量といい、質といい、さすが職人、と唸らせられる出来映えだった。

 いざ、カトラリーを握り締め、彩り豊かなサラダへ手を伸ばした。

 ぱくり。もーぐもーぐも・・・・・ぐううううう

 「・・・うぐ」

 気合で飲み込んだ。が、とたんに食道を刺激しまくる辛味。

なんだろうこれは。たとえるならば、生の掘りたて山葵に、青唐辛子を摩り下ろしたソースをかけたかのごとき凄まじい刺激。

 呻きつつ推定ミルクを手に取った。匂い良ーし、ぐびりと一口。

 香りはミルク。その実、味はタバスコ(すっぱからい!!)

 意表を衝かれ、目が限界まで見開かれるが、何とかこらえた。

 ・・・ごくり。飲み込む。ものすごい意志の力を要する食事だった。親に叩き込まれた 「もったいない精神」にもさすがにひびが入った。

 次にスープ。匂い良ーし、ちびりとスプーンの先にすくってなめてみる。

 「む……り」諦められずにソーセージ。ナイフで少し削って口に入れる。

「うゎぁ……獣味……臭みを消そうとか思いもしないんだろうな……。しかもスパイスの類の香り……味もない……」


 「やはり不味かったか。」

 オイゴラ!


 そしてむしろ怖いモノ見たさでパンに手を伸ばす。

 がっしりとしたそれは、果物なんだそうな……。給仕の男性が小ぶりの斧で叩き割ってくれた。中身は焼いてとけた茄子の味の物体X。デザートって聞こえる単語が許せない。

 総じてまずかった。

 あまりにひどい。

 私の味覚では、逆立ちしても無理、チアキに食わせようものなら星一つ消されるだろうか?

 辛い。刺激的を通り越して暴力的でもある。

 そして、味。調味料やスパイスを使って味を調えるということがないのか、ただ、素材の暴力的な味の主張があるのみ。


 ……大体香りがこれほどいいのに、この味はないよ、ミルクかと思いきやタバスコジュースって……どんなどっきりですか。

 ……このままだと餓死する。前の巫女さま食事があわなくて亡くなったんだよ、きっと。すると、明日はわが身じゃないか。

 辛味は仕方ない。少量ずつ慣れていこう。でも、味は絶えられない。調味料をどうするか……。


 「ああ! 飛行機にちょっと行って来ます!」

 私は思わず立ち上がり叫んだ のはメタに原作通りだ。


 原作とは違い、私は部屋を出て飛行機へ向かい、調味料を探す。


 次々と見つかった。塩のビン。胡椒。さとう。マヨネーズ、ソース。ケチャップ。そして極めつけの、しょうゆ! そして原作とは違い…… 牛乳にコーヒー、コッペパンにフランスパンにドイツパンにジャパンって殆どパンじゃん!? ってか最後にジャパンってサ●デーの漫画!? あ、メタですか。


 まぁ私はホクホクしながらあの魔のテーブルのある部屋に来た。

 が、何で!?

 他の料理に変わってんじゃん!


 「あの……チアキ様が先ほどご自分で料理を……。」

 チアキ……料理早いね……。

 「――食え。」

 チアキはそれだけ言った。


 私は恐る恐る料理に手を伸ばした……。

 まずは先ほどのサラダとソーセージの名残がある物に手を伸ばした。


 「美味しい……。」


 な、何という事でしょう!? 先ほどの獣の味がしたソーセージを綺麗に焼いていたようで、更にサラダも炒めてあった、チアキに聞いた話で、生姜の辛味は熱を加えると辛味が無くなり、旨みだけが残るって言ってた……でもコレは辛味が残っている、だがそれが肉とよく合う……。


 次にタバスコ味の白い偽ミルクを茹でた物と茄子味の偽パンを練った物だとカーシャさんが言う……あの果実を練って態々茄子の形にしてくれているのか……。


 「これも美味しい……」


 焼き茄子の味に程よい辛味があり、ふわっとした口どけだった。


 食後の一杯は、私が食べている最中に作られた飲み物……「香りはオレンジジュース。しかしてその正体は、しょっぱいチョコレートドリンク、のど越しは最悪」といいう原作では不味いハズだったが、チアキはチョコレートドリンクを熱しながら飛行機から持ってきた牛乳と砂糖と混ぜたらしく……。


 砂糖は少し入れたはずだったが、ココアの味に塩みがあった為に甘さが引き立った。

 これは塩チョコのココア版か!?

 しょっぱさが甘みをやさしく引き立てる……思わず私は叫ぶ。


 「美味いぞぉぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!」


 「五月蝿ぇ」


 『ゴン』


 痛い……。


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