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第二十七話:世界の修正力

世界の修正力 日付 2011年 08月 03日 (Wed) 13時 00分 06秒





 オカシイ……何かがオカシイ……前夜祭も戴冠式……何もかもが味気無い一日だった。


 誰かが私に嫉妬することもなく、エルレアが私を攫うことも無い。


 何も無いんだ……。


 別に恐怖を感じたいわけじゃないんだけど……。








 アマリニモウマクイキスギ?


 なんだろう、この胸騒ぎ……。


 ――ふと気付いた、今いるココ……どこ?


 空の下、私はそこにいた。


 目の前にはもう一人の“私”がいた。


 え?


 私が目の前にいるのに“私”は私の事が見えてない?


 “私”はわーわーと叫びながら転び、その時に丁度空が暗くなり、“私”が同時に消えた。


 空は日食だった……。























 今度は召還された時だ、色んな色の髪とか、知らない言葉とかに困惑する“私”がいる。





 カリバニズムな夢、“私”がそれに心を蝕まれる所……。






 この世界は惨い……全てはチアキによるもの……。






 エルレアは自己満足で成仏(?)した。






 刻印によって酷い扱いをされる人々……。






 そうだ、そうなんだ……チアキは全部綺麗さっぱり変えて行った。






 「コレだけのズレ、この世界をどうしたいのかね……彼は?」

 男性の声だった。


 振り向くとチアキとは正反対な雰囲気の人だった。


 目は生き生きしてるし、にこやか。


 口はへの字を逆にしたように微笑み、背中には翼がえっと一、ニ、三







 ……ちょ、24枚!?


 えっと天使様?


 「いやいや、僕は神だよ。 君と話しやすい形にしてるのさ」


 って私の心が分かるの!? まぁ神様だもんね……。


 「さて、世界は変わってしまった。 ね? チアキと言う存在により、この世界、そして地球はどちらもズレてしまった。 君はこの状況はどういうことか分かる……かな?」


 えっと本来よりも優しい世界?


 「確かにね、でも本来進むべき道……それを捻じ曲げてしまったのはとても悪い事なんだ。 だから僕はこの世界を潰すよ」























 え?


 「それってどう言うことですか!!」

 「何怒ってるんだい? どういうことも何も君の出会ってきたなかで本来君を殺そうとした人は大半が死ぬんだからいいだろう?

 この世界では普通の関係でも、死ぬ運命の彼ら彼女らが残るのは必要ないんだ。 分かるかい? 例えば場合によっては君と結ばれるエルレア、彼の母親やその他の人々、皆悲惨な死を迎える運命なんだよ? それに君とは関係ないじゃないか?」

 「なんで貴方が決めるのですか!! あなたは何様のつもりですか!!」

 「やだなぁ、言ったでしょう? 僕は神様だって? 例えば火の国、餓死する少年少女はそうやって死ぬ運命だったんだ、僕が決めたんだから」

 「――勝手すぎ……なんでそうやってその子達を簡単に殺そうとするんですか!!」

 「殺す? おかしいんじゃないかい? 僕はただ君達人間に死ぬ運命を定めてるだけで殺してるわけじゃない。 それにね? 僕は君の為に人それぞれ死ぬ運命を定めてるんだよ?」

 「私の……為」

 「そう、過去、現在、未来、全ては君を中心に世界を作り上げた。 本来の歴史ならオウランの父は前の巫女に心を引かれ、そしてオウランの母へ捧げる心を捨てた。

 そしてオウランの母は巫女を嫌いになる。 そのオウランの母が君と言う巫女に対して許す……その為の運命など、君と言う革命の種そのものを大きくする為の踏み台なのだよ?

 分かるかい? 作品さ、美術なのさ!! 周りの絵を汚く醜悪に、そして悲劇と怒りに満ちた作品を作り上げる!!

 そうだね、我が子をストレス解消の道具として扱う醜い親を持つ子供と、直系同士によって生まれた遺伝子欠落の為に手足の無く、世間の冷たい目に耐える子供が恋をする、そして巨大な運命の壁を2人で打ち破る……そんな美しい人生が僕には美術なのさ」


 「おか……しいよ、おかしい……よ。 そんな設計された世界なんておかしいよ!!」

 「良いじゃないか? 君達はわからないんだし。 そうだね、じゃあ君の記憶を取り除いてあげようか? そうすれば_」

 「ふざけないで!! 世界には平穏に暮らしたい人がいるの!! そんな運命は_」

 「おやおや? 平穏に暮らせば良い事はあるのかい? 例えば君の携帯電話、それがどうやって生まれたか知ってるかい?

 起源は戦争だよ? 軍人が戦況を味方に伝える為に作り出した物。 最初は本当に大変だったけどね? とらとらとらってね?

 君は争いからは悲劇しか生まれないって口してるから先に言ってあげようか、その悲劇から何もかもが生まれるんだよ?

 人類がまだ猿だった頃、殴り合い、噛み付き合いが武器だった。 でもある日木の枝が空から落ちてきて猿に落ちた。 猿は怪我か絶命をしただろうね。

 そして木の枝を敵に殴りつければ効率よく相手を傷つけ、殺める事ができるようになった。 自分の手も怪我をしないしね? そんな感じで人類は進歩してきた」

 「――でも、それは貴方のお陰じゃないでしょ……、人は貴方に頼らなくても十分傷つき、そして未来に向かっていくの!! だから貴方の手は必要ない!!」

 「――どうやら僕を苛立たせてしまったみたいだね? 世界が消える前に君をここで殺して上げるよ?」

 彼の手から、光るボールが私に向かって放たれた。


 だけど目の前に現れた誰かによって素手で弾かれる……。


 「呆れたな、やはり居たのか……神」

 チアキだった……。


 「おや、世界をここまでずらしてくれた人間……いや、
























 神の世界を滅ぼした

            名も無き神かい?」


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