第二十二話:黄金の水……? それより作者がご乱心
第二十二話:黄金の水……? それより作者がご乱心 2011年 06月 02日 (Thu) 00時 39分 25秒
シャザクスは熱い国だった。乾いた風が紅い砂を巻き上げ、どこもかしこも砂っぽい。
はずだった、今や彼方此方に熱帯雨林でしか見ないような木を、しかも果実がなっているものが生えているのだ。
元々はチアキが持ってきた植物の種だ、精霊達が生態系を狂わさないようにと気を使いながらシャザクスは気持ちの良い国へ変わっていたのだ。
一番の繁華街をシャラ様と歩くと、好奇の目が張り付いてくる。逆にチアキだけには目線が合わない。目立たない格好している心算なんだけどな。ちらちらと見られている気がした。
「チアキ殿のお陰で苦しむ人々ばかりであったこの国は変わった」
「どんな国だったのですか?」私は聞いて見た。が、チアキが答える。
「品物は質が悪い、物取りが多い、病原菌の繁殖場、全体的に貧しい。浮浪児が多い。ハッキリ言って何が王族だ? クズが!! 国立の孤児院を創設したとか言うが。毎月、維持管理費は全て我が欲の為だけに全て使って居た。
最悪なのが児童を監禁して違法薬物の元、簡単に大麻を作らせて居た。ゴミだな、この国は。何が王だ、自らその現場へ行く事なく他の者がやってくれてこの国は栄えると?
現実舐めるな下等下種、貴様と革命前、この町を歩いた時に何を見ても貴様は顔色一つ変えなかった、何が王だ? ハッキリ言おう、お前には王になる資格どころか大人としての資格も無い」
ボロクソだった、でも確かにそうだ……全て理屈が通ってる、自分の国の人間を人間と思って無いと思えた。家臣を信用しすぎ、しかも自分で町に来ても何も思わないのはどうかしていると思った。
「――申し訳ありません……」シャラ様にはキツイだろうけど、これが現実。
理想の王子様って言うのはルックスだけじゃない。本当に必要なのは中身だ。
「ねぇチアキ?」「あ?」
「女の人が居ないよ? 普通だったら買い物とかじゃないの?」
「女は、親か、夫か、息子と共に行くんだ。実際今では取り払われているがそれをよく思って無い奴らが多いのか軟禁……いや、この世界の状況を見ればやはり監禁しているのがあたりまえだろう。
それにこの世界で買い物? お前は料理に対しての事を覚えて居ないのか? 食えれば良い、ただ食えれば良いと言う考えが為に生まれた壊れた常識だ」
「うっわぁ……」
「まぁ、軟禁でもまだこの世界は壊れてる、男が居なかったら攫われて、売られてるな」
「・・・・・・・こわいよチアキ・・・・・」
「大丈夫だ、お前が居なくとも俺は心配しない」
「酷いよチアキぃ!?」
「だが両親は心配するから流石に助けはする」
「ふぅ……」
チアキ手ごわいよチアキ……クーデレ? ツンデレ? 違います、彼に性欲が必要無いだけです。
っと次に、輝石の加工所に行ってみた。きらきらと目にも鮮やかな細工の数々に暫しうっとりした後、気になった事を聞いてみた。
「ここで加工した石はどこで売るんですか?このシャザクスでは、売らないのですか?」
「ここではなく、風の国へ輸出している。わが国で買える者は、王族のみだろうな。」
「やっぱり。貴金属のお店がないなーって思ったんです。ここで作った物は、ここで売りましょう、シャラ様。デザインを多種多様にして、今までは風の国でしか買えなかった物をシャザクスでしか買えないようにするんです。」
って言ってるけど心の中ではハッキリ言って怒っている。シャラ様の衣服はこんなに高級なのに自分の国の人には家臣に任せるばかりで何もしてあげなかったのかと?
「そんなことができるのか?」
「おしゃれな女性がいると良いんですが。デザインできて、作れて、自分の身を飾れる、きれいなひと」
「探してみよう」とシャラ様は言うが……
「生憎この世界だ、それはありえない。唯一いても貴族の娘や姫だろう? だが考えろ、この世界の貴族の女や姫には確かにそれはできるだろうが、自分の格を上げる為に必死。
つまりは貴様に対しては自分の狙っている王を奪われるのが心配でかまってくれはしないだろう? ハッキリ言う、王族貴族の格差社会でこれほど壊れてるのは俺達現代人をかなり嫌うだろう。」
確かに説明が付く……そう……だよね、こんなポッと出の私なのに、オウラン達に好かれてる……4人を狙ってた人達にとっては本当に迷惑だもん……。
その後、シャラ様は、根気よく付き合ってくれた。
採石場は、熱くて、蒸れてて、そこにいるだけで、気を失ってしまえるほどだった。
採石場の責任者を連れてきてもらった。
「教えてください。」
私は、ここに来てある事を思い出していた。何年か前の映画。石炭掘ってた会社が危機回生の案を練って成功する話と、チアキの説明。まぁチアキの説明は映画より凄い分かりやすく、これなら……。
それはそうと日本は、水の国。江戸時代から玉川を作り出したり、水洗式トイレを開発した。
それは置いて、この熱い国では水が出ないなんてありえない、ここがそうじゃないとは言えないでしょう? 地面を掘れば、水がでる。 深く深く掘れば、稀に温泉を掘り当てる事も、あったかも。
「石を掘っていて、温水がでてきた事はなかったですか?」
果たして、尋ねた言葉に、現場の監督さんは、頷いた。 もう、使われていない採石場の中で、お湯はまだ滾々とあふれ続けていた。 喜んで、そおっと指を浸らせた。うん、熱すぎない。 周りを見ると、岩肌に白く硬い物も付着している。うん、湯の花も取れそう。
「シャラ様、ここを隠すように、建物を建ててください。外からのぞけないように。あと、植物なんかも植えて、そこに、貴金属のお店もくっつけちゃいましょう。国営の、保養施設にするんです。」
「このお湯が、そんなにすごい物なのか?」
「はい。私のいた世界では、これを温泉って呼んでいました。疲労回復、美肌効果、切り傷擦り傷の治療に、飲めば、おなかの中も癒してくれるんです。確か、ここの砕石所からは、薬石が採れたっていってましたよね?だったら、その石の薬効が溶け出しているはずなので、その薬石に頼っていた患者さんも呼べますよ。心配なら、お医者様に、飲めるかどうか調べてもらえばいいんです。それを大々的に宣伝すれば、なお良いでしょう。だから、調べてもらうときは、この世界一の名医にしらべてもらって、他のお湯の場所もあわせて調べてもらえれば、一大レジャーランドの出来上がり!です。」
「チヒロ、邪魔だ退け」チアキが私の首根っこを掴んでそこからどかす。
「へ?」
チアキが地面に触れた瞬間、一瞬にして温泉宿が完成した。――え? 精霊を使ってなかった!? ど、どういうこと!?
「耐熱性のあり、鉄筋、コンクリートなどの様々な物を生成して作った」
早いも何も無い……私としては折りたたみ傘を開くような感じでチアキが宿を一件作り上げたのだから……。
チヒロはわくわくしながら、言った。
「温泉、入りたい。」
シャラに提案するも、すぐに却下されてチヒロはふてくされた。
「だって、今日一番の功労者でしょ。温泉情報教えて、入り方も教授して、なのに私は、入っちゃだめなんて。」
「姫の肌が衆人の下に晒されるのを俺が許すと思うのか?」
「下等種族、貴様は黙ってろ?」
大魔神王チアキが後ろから現れた。先ほど加工した宝石でチヒロを着飾ってくれたりなど、ほんのりと優しい一面もありそうな感じだが彼の目には何も映って無いのに気付いたチヒロはやはりがっかりした。
「女湯あるでしょう?女だけなんだからいいじゃない!入りたい、入りたい、入りたい!」
「・・・・・では、貸切にする。」
「わーい!だけどチアキも一緒に入って?」
「何故俺が面倒臭い事を?」
しぶしぶ行くチアキ、やはり彼には性欲は無いようだ。
わーい。お風呂だ。お風呂だ。久しぶりだなあ、浴槽につかるの。チアキにいっつも即効で作ってもらったのしかないから。ついでにいつものはドラム缶のお風呂ね?
私は浮かれていた。だって、お風呂だ!こっちの世界に来てから、水浴びくらいしか出来ないから不自由感じていたんだ。お風呂の有効性を懇々と説いて、シャザクスではようやく日の目を浴びたお風呂。堪能せずにいられますか!
勢い良くぱぱっと脱いでいく。
広い貸しきり風呂で、ざっとお湯を浴びてから、ささっと身体を洗う。
長い髪の毛も洗おうと、頭からお湯を浴びる。
シャンプーはチアキが作ってくれていたのでよかった。
それはそうとチアキは……相変わらず起きる気配無くとも立派なダークセイバーを携えている。
「チアキぃ、洗ってあげるよ?」
「――」
何にも返事が無いから良しってことで。私はチアキの髪の毛にシャンプーを付けて洗う。にしてもチアキの髪の毛ってボサボサだけどサラッサラなんだよね……気に入らない事があったりすると髪の毛をワシャワシャかく癖があるから……。
そういえば精霊達が居ないなぁ……? みんなどうしたんだろ。
※チアキが怖いのが理由※
…チアキ様…
性欲なくてもすごいだなんて・・・。