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第1話:皆既日食で私“達”は消えた。

執筆はマグマフレイム様です。

楽しんでいただけたら幸いです。それでは、どうぞ。

 第1話:皆既日食で私“達”は消えた。 2010年 10月 30日 (Sat) 21時 36分 07秒



 

 ――巷では、四十六年ぶりだという皆既日食で、フィーバー(古)していた今日の日本。


 「これが、コレが奇跡の大パノラマかぁ~♪」


 ダイヤモンドリングに黒い太陽。滲むコロナ、太陽と月の輝き。


 あぁ、何て私は幸せなのだろう!


 私は大月 千尋(おおつき ちひろ)、歳は16、天体オタの高校生で~す♪











 へ? 原作では滑って転んで頭を打ってとっぺんぱらりのぷーで異世界に飛んでたって? ふっふっふ……あ、メタ発言駄目ですか。


 ま、まぁ聞いてよ? 私は今、小型飛行機のハンモックに寝てて、天上がガラスになってるから空を見上げられるのだぁ♪


 「チアキ! チアキ! 本当にこーゆーの良いね!」


 パイロット席で運転している幼馴染ってか私が生まれる前からの居候(?)の小日 智明(オジツ チアキ)に話しかける。


 「――五月蝿い、俺には関係無い。たかが皆既日食で俺の睡眠時間を減らした罪は高いぞ小娘?」


 ムカ……せっかく一緒に楽しもうと思ったのに……。


 「そういう態度は無いでしょ! こんな偶然太陽と月が合わさるなんて_」


 「ふん、水素の四乗が宇宙で塊となって燃え上がっている有機物と、地球がまだ幼い頃、隕石と言う名の物資をお互いに交換し合い、それ以降は地球に引力を生み出す地球の双子の兄弟とも言えるだけの大地が重なり合っただけだ。

 と言うか俺はこの戦闘機の運転の試しと言う本来の仕事を任されたはずなのにナゼお前に付き合うことになる? 事実俺は18歳で国家がギリギリ許可したが、お前が乗って居る事がバレタラ俺の免許は全て消え去るかもしれん……。」


 「ばれなきゃ良いでしょ? ばれなきゃ。」


 「駄目だコイツ……人間として腐ってやがる。」


 「酷!」


 「はぁ。」


 まぁチアキと私が始めて出会ったのは私が生まれた時、チアキは私が生まれる前、私の家の前に生年月日や名前とかが書かれて、どうやら生まれてすぐに捨てられてたんだって。ついでになぜか私と誕生日が同じなんだけど……、丁度まる2歳先生まれなだけ。


 一時的にウチで預かる事になったけど、1歳で立って歩いて走って喋って文字を読んで文字を書いて……そんな感じの行動が「気味が悪い。」とどこにも引き取られなくなっちゃったらしいの。


 ――ハハ……確かに怖い、でも1年もお父さんとお母さんは2人で育ててたから自分で預かる事にしたんだって。――それから更に1年後、チアキの誕生日に私は生まれた。


 私が物心付いた時には基本的に自分から話しかける事無く物静か……って言うか無口で無愛想、目つきが悪くて男女共にチアキの顔を見ただけで嫌そうな顔になる。この間も私の同級生が少し眼が潤んでた、というか――ん~、はっきり見た目を言うと……。


 黒く鋭い見ただけで人を恐怖に落とし入れる目、真っ黒な隈、ショートカットだけど以上に寝癖が激しい黒髪、180cm以上はある長身、中肉長背だけどガッチリとした肉体。


 ――この間もキャバクラのお姉さんや、ヤの付く職業のおじさん、不良中学生の男の子達……みんなあの目に脅えてた……怖いよ、本当に怖いよあの目。


 『ガクン!!!』


 「へ?」「は?」


 突然機体が揺れた。


 その瞬間、私達はこの日、この世界から放り出された。











 う~ん、知ってる天上だ、さっきまで(?)皆既日食を見てたガラスの少年キーラキr_って違う違う、ガラスの天上。


 ん? ざわり、と周りで人の気配がする。


 ざわり、ざわり、と波が寄せて帰すかのごとく。


 事、ここに至り、ようやく私は飛行機から降りる。


 ――って……何で、何で鮮やかな髪色の、どこの中世ヨーロッパな服装の、キラキラしい殿方たちが居るのだろうか?


 目が。痛い。


 (ひい〜きらきらしてる!無駄にキラキラしてるよう!)


 現在進行形で、あわあわとパニックしてると、人垣が分かたれて一人、進み出た。


 ふわふわの淡い金髪。白皙ってこういう子のことを言うんだろうな、色、白い。瞳は金色。唇はチェリーピンク。


 つやつやぷるん。その子がまっすぐこちらを見て、言った。


「lllkjp?」


 ……って何語ですか!?


 英語? 中国語? ドイツ語?


 いえ、そもそも、ここはどこですか?そもそも、地球ですか?


 私、もしかして巷でよく読まれてる、異世界召還の犠牲者ですか?


 腕力も、知性も、魔力も無い、タダの天体オタですよ?


 えと、気絶していいですか……?


 あ、現実逃避はだめですか……。


 ってかマグマさんここら辺コピペでs_――メタ発言は一番駄目ですか……。


 らちが明かないと思ったのか、うずくまっている私の元に、金髪ふわふわ美女が静々と近寄ってきて、繊細な両手で私の両頬をおさえた。


 そのまま軽く顎を上げられて、おでこにキス。


 次いで右の耳、さらに左の耳へ。


 あは、なんか儀式みたいね。これで言葉が通じたら世話無いよ。


 「わ、わかりますか?」


 「なぜ!」


 何で通じるのさー!


 「わ、私は、この国シェンランの巫女、カーシャ・イル・セランと申します。

突然の召還で驚かれたことでしょう、オオツキ・チヒロさま? あなたを迎えて、この地の精霊たちが喜んでおります。太陽と月の巫女が現れたと。」


 ん? 何かまたメタ発言だけど原作と違って何か慌ててる? まぁ流石にこんな鉄の塊に乗ってるからね~。


 にしても……。


 「たいようとつきのみこ。」


 その言葉をつぶやいた私の耳に、先ほどの波のうねりのようなざわめきが、いっそう激しくなり……押しつぶされそうな空気に体を震わせ_


 「中世時代の衣服、訛りきったラテン語と古代ゲルマンで使われていた古いゴート語を混ぜ合わせた言葉、非常識な髪の毛の色……。――コレは面白そうだ。」


 チアキ……。


 「二人目の……太陽の月の巫女!?」


 周りの人達がガヤガヤと騒ぎ出した……ぁぁ、やっぱり意識……保てないや……。


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