こんな熱、私は知らない。
シリアスかな今回。
てゆか最低ですねヘイカ(今更)
完全にパニック状態になった頭は緊急事態に対応出来ない様だ。
というか機能していない。くそう、この役立たずっ! ・・・あっ、自分のだった・・・。
目の前にしゃがみ込んだネアの姿が、数年振りに流した涙で歪む。まあ、悔し涙なんだけどね。
今度もしヘイカに会う事があったら真っ先に報復を試みよう。取りあえずは男性の急所を狙おう。動けなくなるらしいからその間に顔面を狙おう。姉に習ったとおり。
記憶が溢れてくる。ああ、違うのに。今と昔は全然違うのに。
力勝負で勝てなかったことが悔しい。
―――仕方ないわよ、シェイちゃん――――
「仕方ない」で済む問題であることが悔しい。
―――勝てなかったのは、私なのよ。だから、シェイちゃんが泣くことないでしょう――――
でも今回は私だよ、お姉ちゃん。悔しいんだよ、お姉ちゃん。
―――弱くならないように。対処を―――――
――――――男だったら、良かったのに・・・・。
悔しい悔しい悔しい。どうして私はっ、
ギリ、と歯が軋む。いつの間にか拳を作っていて、それが強く震えていた。
「・・・・・・大丈夫だ、アカシェ。」
―――大丈夫よ、シェイちゃん―――
「俺が此処に居るぞ。」
―――私が此処に居るわよ―――――
・・・・・・・・・・・・・・・・・・ん?
頬に当たる肩が涙で濡れていた。
強く握り締めていた拳は広げられ、しっかりと指を絡められもう元に戻らないようになっている。
背中にはあやす様に大きな手が添えられていて、
私は恐る恐る横を見た。
・・・夕日色の髪の毛が見える・・・。
しかも目の前に。むしろ顔に当たってくすぐったい。
畜生、サラサラかっ、サラサラヘアーなのかこの野郎っ。
いやいやいやいや。
現実逃避するな私。待て待て何だこの状況。何時なった、一体何時なった!?
顔に熱が集結する。よーし、集まれ、熱! ・・・なんて血液に向かって指揮を振る阿呆な映像が一瞬頭を過ぎった。あれか。到頭私にも末期の症状か。
「ネ、ネア・・・、あの、ヘイカ・・・」
ピクリと揺れた振動が私にも伝わる。うぉぉおおおおおおいっ! 恥ずかしい、恥ずかしいやめて下さい今なら土下座出来る!
「・・・・アカシェ。」
「・・はい。」
風を僅かに感じると、ぐいっと肩に手を置かれ真正面を向かされた。
ちょっと待って、頼むから待って! もういいよ集まらないでくれ熱!
つまり顔真っ赤だ。・・・・・・穴に入りたい。しかも顔近い。至近距離。
・・・これは、・・・恋を自覚したばかりの乙女(?)に対する嫌がらせでしょうか・・・。
「・・・アカシェは、陛下を慕っているのか?」
「は?」
頬を染めた表情から不機嫌な表情までの変化、この時0.1秒。
人間って凄いね。
「冗談じゃないわよ、あんなんこの世が終わるぞと脅されたってお断りよ!」
「・・・・・・そうか。」
一瞬目を見開いたネアは直ぐに複雑そうな表情になり、哀れむ表情になり、安堵の表情になった。
何があったのだろう、心の中で。
殆ど変わらないけれど見ていればネアの表情の変化はよく分かる。
「ネア、アイス・・・」
「ああ。落としてしまった。すまないな。また買ってくる。」
良かった、今回限りだったなんて言われたら更にヘイカに攻撃を加えなければいけなかった。
「ところでアカシェ、何故あの状況になったんだ?」
至近距離で真剣な瞳でネアに聞かれた私は反射的に、
「嫌がらせで押し倒されました。」
・・・答えてた。本当は喧嘩から体重傾いてああなっただけなんだけれど。
「・・・・・・・そうか。」
案の定ネアの目が据わり、声が低くなった。く、黒い。ざまぁみろヘイカめ!
「何もされなかったか?」
・・・どう答えたらヘイカの罪は重くなるだろうか。出来るだけ重く重く、ネアに怒られればいい。
あぁでもヘイカに何かされただなんて、嘘でも嫌だ。あとネアに言うのも嫌だ。
から、正直に言おう。感謝しなよヘイカ。
「キス、され」
そうになっただけ。首に。
無理矢理遮られた言葉は喉元へと戻って行った。
いや、吸い込まれた?
・・・・何これ。
・・・これが噂のちゅーですか。
ネアの瞳は閉じられていた。
ごめんなさい作者恋愛色苦手です。書くの。読むのは好きですが。
分かりづらかったかもしれません。
てゆか苦手過ぎて途中で何度も全消去しそうになりました。
よく持った、私の指よ!(←
これってセーフですかアウトですか。R15とやら。
境界線が分かりません・・
手ぇ出しちゃったねネア。