#2 黒羽
「…ハッハッハ…ワタシが盗んだのも知らずに焦るとは…所詮トラクも鈍感過ぎるではないか…フハハ」
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<一方その頃>
「で、どうすんの探すの?」
「当たり前だろ!?探さない選択肢とかどうかしてんのか!?」
アルバーグはいつも慌てるとキレ気味になるトラクの性格に少々呆れながらも、大事なものを探す為に協力した。
「それってさ、どんな見た目してる?」
「『どんな見た目』かぁ、なんとも言えないなぁ。」
「え、あれだけ大事なものの見た目言えないとかアホなの?」
「は?誰がアホだよその口縫うぞ。」
そんなこんなで探していると、アルバーグは何かに気づいた。
「もしかして…。」
トラクはどうした?と思いながら、アルバーグに何があるのか聞いた。そうすると
「恐らく『奴』か…。」
「え、誰それ。」
分からずに戸惑うトラクには目もくれず、アルバーグはその場に立ち止まって考え続けていた。
すると、それを見て面倒になったのか、トラクはそれが誰なのかを尋ねた。
「あいつに付いている特徴的な羽根、その名も『黒羽』を知ってるか?」
「く、黒羽?」
トラクは少し困惑した状態で聞いた。
「あいつの黒羽はとある紋章『羽毛星』と呼ばれる紋章なんだ。」
「それって…。」
そう、この世界では、紋章に『星』があるものは上流階級の貴族という印になるのだ。
「つまり…っ!?」
トラクが驚愕した瞬間、2人の目の前に文字通りの黒羽が付く女性がニヤけていた。
「ふっふっふ…よく気づいたわねぇ…アルバーグくん」
「てっテメェいつからそこに…!」
「えぇ?君がトラクくんがアホって言ってた時からずっと居たわよ?」
「え???」
アルバーグはポカンとしている。勿論、トラクもだ。
「そうそう、その『黒羽』とは正に私のことよ。仕方ないから私の名前をお教えしましょう。名前は『V.I・エルーブ』よ。エルーブって呼んでね!」
「なんだこいつ、こいつがアルバーグが言ってた黒羽ってやつ?」
トラクは冷静さを取り戻しながら聞いた。
「あぁ、だが、こいつは舐めない方がいい…。こいつの能力は…。」
「あぁ〜はいはい君たち二人とも殺るわよ!『これ』は渡さないから!」
「あ!俺が借りたやつ!」
トラクはエルーブが盗んだ借り物を見て気づいた。こいつが本当に盗んだ奴だと。
「アルバーグ、どうすればいいのこいつ。結構弱そうだk」
「おいトラク、こいつは本当に舐めない方がいいと言ったろ。冗談抜きで強いぞ。」
「もう〜君たちうるさいわね、私が直々に殺してあげるよ!!羽毛陣 針の羽!」
「危ねぇ!トラク避けろ!」
「っ!あっぶねぇ!!刺さりかけた!とりまアルバーグこれ一旦退散した方がいいよな!」
トラクとアルバーグは必死に避け、その場から逃げた。
「あっぶねぇ…死ぬぞアルバーグこれ。」
「だから言っただろお前はアホなのか?」
「ぬぐぐ…。」
そこにポツンと残ったエルーブは悲しそうな表情で去って行った。
「あの二人結構面白そうな子達なのになぁ…。」
次回へ続く→
(※更新日程は不明)




