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さようなら

「先輩・・もし良ければ一緒にご飯に行きませんか?」

そう私、鈴原悠依は入所時に教育係で初恋の相手である岸野先輩にそう言うと

「ん?別に今日は用事はないし・・・あぁ、行くか。」

そう即行OKをもらえて喜びのあまり飛び跳ねながら喜びたかったが、何とかその気持ちを抑え込み

「ありがとうございます・・・では、また仕事が終わり次第連絡させていただきます。」

そう冷静に言うと

「おう、今日もお互い頑張ろう。」

そう言ってもらえて私は

「はい。」

そう元気よく返事をするとともに私自身のモチベーションも跳ね上がり今日の自分の業務はとても捗った。


『悪い、少しお底なりそうだから先に行っててもらえるか?』

そう先輩からのメッセージに

『わかりました。では二丁目の天蛍でお待ちしてます。お仕事頑張ってください。』

そう私はメッセージを送信し先輩より一足先に天蛍に向かった。

「まだかな・・・」

そう私は言いながらお通しの枝豆を食べていると

「ほれ、悠依ちゃんいつも来てくれてるからサービス。」

と、言いながら店主が私がここに来るといつも頼むつくねの天ぷらを出してくれた。

「え、悪いですよ。さすがにお代ははらわ・・・」

そう私が言うと

「ん?いいよ。なんかいつもより笑顔だし・・・なんか良いことでもあったんでしょ?」

と、店主が言うと

「ゴラー!万年赤字だってのに・・・あんたの小遣いから引いとくかんね!」

と裏にいる奥さんの怒鳴り声が店中に響き渡ると

「あ~あ~聞こえな~い・・・というか聞きたくない・・・じゃゆっくりしてってね。」

そう言いながら調理に戻ってしまった。

すると

「悪い鈴原・・・まだいるか?」

そう先輩がタイミングよくお店に現れた。

「あ、先輩・・・ここで~す。」

そう言いながら私は手を振ると気づいたようで私の隣の席に腰を掛けた。

「あ、なに飲みます?」

そう私が言うと

「あ、なら生を1・・・ん?鈴原は何にする?その様子だとあまり飲み食いしてないだろ。」

と先輩に気を使わせてしまい申し訳なくなりながら

「あ、じゃあ同じのを・・・あと天蛍セットを・・・」

そう言うと

「じゃあ、生2つと天蛍セット2つで。」

そう先輩が言うと

「はいよ!」

と店主は言いながら中華鍋の間に仕切りのある鍋を手に取ると同時に高火力で麻婆茄子と炒飯が1つの鍋の中で作られる様は何度見ても圧倒される。

そんなすごい神業を横目に

「どうしたんだ?今日は?」

そういわれ私は本来の目的を思い出した。私は今日、最初で最後の先輩に告白をするためにご飯に誘ったのだ。

私の心拍が上がる中、私は覚悟を決め

「先輩・・・迷惑だったらすみません。私は先輩のことが好きです!」

そう私が先輩に思いを伝えると先輩はかなり驚いたのか目を見開いていた。

言ってしまった・・・でもこれで振られたとしてもあの頃の伝えられないままのシャイの私とは・・・

そう私が思っていると

「鈴原・・・実は・・・」

「あぁ‼テメェもういっぺん言ってみろや‼」

と、先輩の声はテーブル席にいた関西弁の男の声でかき消されてしまった。

すると、

「だからですねぇ、龍同組は新条組の配下として加わるって言うたんですわ。龍さん何度も言わせへんでくださいな。」

と、糸目の男がそう言葉を発した瞬間、ガダン!と椅子の倒れる音がする。そして龍さんと呼ばれていた男が糸目の男の胸ぐらを掴み

「そうか・・・なら頭をつぶせばわしが晴れて頭になれるな!」

と龍さんと呼ばれていた男は糸目の男の拳を振るおうとした瞬間

「やめな。」

と言いながら龍さんの拳を店主が受け止めると

「ここは天蛍・・・飲み屋だ。他の客のいる。だから喧嘩は他所でやってくれ。」

そう言いながら龍さんの拳を放すと

「ほぉ?かたぎなんかに俺の拳が・・・それは舐められるわけだ。」

それは一瞬の判断の結果。

次の瞬間私は腹に熱を感じながら店主の盾となっていた。

「悠依⁉」

そんな先輩の言葉と共に私は体から力と血液が抜けていく感覚が私を恐怖させた。

焼けてる?熱い・・・でもすごく寒い・・・

感覚が麻痺する中、私はほとんど目が見えなくなり最後に残ったのは聴覚のみ。

「悠依・・・悠依⁉」

背の愛の心配そうな声。すると

「龍さんさすがにこんなかたぎの面前で殺しは・・・あぁ、ならもう面倒や・・・全員天使様の面前送るしないな~・・・」

そう糸目の男の声と共に悲鳴が響き渡るそれが私の聞き取れた最後だった。

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