エターナル
注意
【Runaway Juvenile】及び、【来世は晴れ天】第一章のネタバレを含みます。
問題ない方はどうぞ。
原初の魔族【エターナル】
身長:185cm
七三分けした前髪と左右対称に伸ばした黄褐色のロン毛、真っ赤な目、高級そうな服に身を包んだ、いかにも「帝王」な姿を持った原初の魔族。だが、よくよく見て見るとどこか薄暗いものを感じる。首元には人にトラウマを植えつけることも出来そうな大小それぞれの傷、目元にはただの睡眠不足ではなさそうな影(隈に似ている)、どこか人生に絶望していそうな表情。幼少期は真っ白なフリルマシマシサスペンダー短パンという「無垢なお坊ちゃん」のような美少年(?)だった。やっぱりヴェルハの趣味は悪い。
彼の代名詞としても用いられていた【終焉】は、彼が持っていたとある伝説の剣の名前が由来だ。
その剣の名前はそのまま【終焉】。彼と両片思いにあった原初の魔族、アルトからプレゼントされた片手剣だ。これが何故伝説の剣と呼ばれたのか。それは剣の稀有な性質にあった。
終焉の特徴として、くの字になった刃と綺麗に弧を描く刃がついているということのほかに、(種族は問わない)血を吸い上げて剣身に青い花を咲かせるというものがあった。前者は特に問題にならなかったのだが、問題になったのは後者だった。血は赤いのに、青い花を咲かせる、というその性質が珍しく、再現するのが大変なため有名になったのだ。
彼はある日から歪んでしまった、おかしくなってしまった、と言われるようになった。ある日から、酒を飲みまくり、自傷、自殺行為を繰り返すようになったのだ。この背景には、彼の恋人アルトの死があった。アルトが死んだときにエターナルに付与された「永遠の呪い」のせいで、アルトの元へと行くことも出来ず、アルトが自分のせいで死んだ、と思い込んでいたこともあり、何かの間違いで死ねないかとか思っているときもあれば、ただの好奇心で、それをしているときもあった。これのせいで彼の肖像画の首元はひどく傷が多いのである。目元の影は、魔力量の多いところによく生息し、媚薬や魔力回復薬として使える植物だが、摂取しすぎると目元に特有の隈のような影をつくる中毒症状を引き起こす、ブトフの酒を大量に飲んでいたためにできたものだ。
だが、歪んでしまった、おかしくなってしまった、と言われるようになった原因はこれ以外にもあった。アルトが死んだその日の夜から、エターナルはまた違う奇行もしていたのだ。
アルトは、首を刎ねられて死んだ。そのため、アルトの死体は首から上がない。あるっちゃあるのだが、地面にぶつかった衝撃でぐちゃぐちゃの肉塊になっているため、頭… とは言いにくい。エターナルは、この首なし死体を、毎晩抱いていたのだ。
エターナルの最期は、魔界ではかなり有名な話だ。永遠の呪いを持ち、死ねない体となった彼がどうやって死んだのか。
結論から言うと、彼の呪いを消すことはできなかった。ではどうやったのか。エターナルには協力者がいた。ばるはらの天使、翼野鈴華だ。彼女が、彼の呪いを自身に移すことを企画したのだ。企画に立ち寄ったのは、彼女の直属の上司… (というとわかりやすいだろうか)理神ミーリアだ。理を司る神だから理神だ。理神ミーリア立ち添いのもと、エターナルから翼野鈴華へと呪いの受け渡しをしたのだ。呪の受け渡しを済ませた後、エターナルは翼野鈴華にこう命じた。刎首して殺してくれ、と。この「刎首」は、自分より先に死んでいったアルトと同じ方法で死にたいという願望と、彼に与えてしまった痛みを知りたいというものがあったため、首を刎ねて殺せ、と命じた。
そして、彼の死後から数千年ほど経ったころ、原初の魔族エターナルは再び蘇生された。彼を蘇生したのは、彼に不死の呪いを押し付け、アルトを殺した未来のアーティファクト、美護だった。
美護は彼を蘇生させると、彼の意識とは別に、違う魔族の意識を入れこんだ。その間のことはあまり覚えていないという。気づいたころには彼が死ぬ前にちょこちょこ会っていた神の奴隷、フェクド=レジストが目の前にいた。自身の剣が魔王城にあることを知ったエターナルは、フェクドたちと共に魔王城へと向かう。向かった先にはかつての友人であり、兄弟である原初の魔族クルーウェルの息子、ゲリア=ヴェラルがいて、彼の剣「終焉」を眺めていた。彼が剣を返すように言うとゲリアはすんなりと彼の言うことを聞き、彼へと剣を返した。再び愛剣を取り戻したエターナルだが、剣にどこか違和感を覚えた。すこし経ち、三代目魔王ルシファー=ヴェラルを倒した後、エターナルは再び倒れた。無理矢理な蘇生術によって一時的に現世に引き戻されただけで、本当は一度死んだ身だ。その後、彼と行動を共にしたキルア=エペラーが、自身の姓をエターナルへと変えた。魔王を倒したとき、キルアはルシファーにひとつの呪い、永遠の呪いをかけられ、死ぬことができなくなったのだ。あまりにもこの呪いの効果がとある原初の魔族に似ている、ということで「エターナル」としたのだ。
ここで出てきた「永遠の呪い」は全て同じものだ。エターナルにかかったものも、キルアにかけられたものも、美護がエターナルになすりつけたものも。
魔王城にいたゲリア=ヴェラルは、ケイが持ってきた「終焉」に、永遠の呪いがついているのを知り、呪いだけを剣から離してポーションにし、ヴェラル家のものに飲ませたのだ。そうして呪いはヴェラル家に広がり、ヴェラルは不死の一族になった。キルアに渡ったものは、三代目魔王ルシファーが持つ呪いの一部。元の呪いから多少は劣化してしまっているのが特徴。
また少し経った頃、エターナルは別の人物としてまた人生を歩みだすことになる。
1000文字くらい書ければ上等だとか思ってたのにすんなり1000文字超えちゃった…
作者はエターナル君への愛だけはある人間です。