コラッツ予想、最新9 解説
さて、読者は、あの難問がこんな簡単なわけがないと思うだろう。
最大の疑問は1を無視しているところだと思う。
これは、演算を正確にトレースしているわけではなく、1は無視しても構わないほど小さなものとして扱っているからだ。
演算の正体は、ウサギと亀である。1/3の世界へ誘い込み、あたかも先発の亀をウサギが追い越せないように思わせていたのだ。
3倍というのは1を3分割していくことに等しい。さらに1/3は2進数ではあらわせない。ここにも罠があった。つまり、整数の世界ではぶれが生じているのである。見えてる1が実は1ではなく3/2であることが混乱の原因だ。
そして、最大の罠は1回目の演算だ。1回目は1のビットが3と隣のビットを変更してしまう。そしてこの1も小数部が不定である。つまり隣り合うビットの隙間に1があるかどうかである。
そこで、1回目だけ演算をして2回目から考えることにした。
1回目の演算結果で出てきた1は元の世界では1/3であり、隣のビットを犯すことはない。
Σ1/3^p=(1-1/3^q)/2
1/2までしかいかない。1回目の3倍によって隣のビットとの間は1から1/2の範囲になったので、3倍を続けても隣のビットには届かない。
さて、次に途中の1が無視できるのも、連続する0をスキップさせる処理で説明できる。
2進数で表示した世界ではいくつだかわからない1も演算上は1/3として扱えばいい。
繰り上がりがないということは、1つのビット、つまり最下位のビットのみ2進数で演算すればいいわけだ。
ここで重要なのが+1を行わないことである。
+1を行わないということは奇数なら1/2し、偶数なら3倍するということになる。
つまり、1というビットはそもそも無視していいといっているのである。
しかし、1の桁を無視していいという意味ではない。
隣り合うビットの間には無数の0と1が混在している状態なのだ。
ここで、重要なのが最下位は常に1であるということだ。+1をしない場合は0と言い換えることが出来る。
無数にある0と1を0だけにできるのである。
1は不定だが0は0なのである。
よって常に4/3しか増加しないと見なせ、1は無視していいことになる。
1->11->1001ー>11011
3倍により途中に発生する1は3倍を省略できるかどうかでしかなく、すべて0が揃っている時がもっとも多く演算が必要だということになる。
つまり1を無視し、全て0と見なすことで、実際よりも多い回数の演算を行うことになり、それでも収束すれば、予測はなりたつといえることになる。
最上位の1に到達すれば終了なので、最大の回数は1回目の演算結果のピット数zにたいして3(2^(z-1))で表すことができる。