表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
月の夜に  作者: カノン
42/42

後のお話

カリエンヌ達が国に戻ると、吸血鬼達は全て焼き焦げていた。

マーキラの子孫だったパラリの姿も燃えていた。

真っ黒なその姿は無惨で、装飾品でやっと彼女と分かった。


彼らは歴史文献を全て隠し、一部処分していた。歴史から何か掴まれる事を恐れていたらしい。

大樹に関すること、ジュエル達に起こった事などの文献が、後になって、彼ら一族の隠れていた場所から発見された。




爺がカリエンヌの側に走ってきた。


”姫様、よくご無事で。戻ってくださったのですね”


泣いた姿など見たことのない老人武勇の姿は、カリエンヌの心をいっぱいにした。


”もう大丈夫よ、爺。心配は要らない”


”心配の無い事などありませんぞ。姫が生まれてから、いっときたりとも、安心したことはありません”


爺の言葉に笑いが漏れる!






キヌリアとカリエンヌは結ばれた。


皆に祝福され、2人の婚姻の儀が誓いの丘で、大樹の元で行われた。

精霊達も参加し、国中挙げてのお祭り騒ぎだった。


カリエンヌにはいくつかの疑問があった。

3つの世界に行った時、カリエンヌにはキヌリアが分からなかった。


”ねえ、貴方は何処に、どんな姿で居たの?”


キヌリアはプッ吹き出し、こう言った。


”君は本当に夢中になると、何もわからなくなるんだね。


1つ目の世界では、僕が君を逃したのだよ。

侯爵の家来が牢に来ただろう?あの時僕が君を逃す手筈を整えたのだよ。

君の爪から匂いが出てきただろう?そして鍵にもなったはず。


2つ目の世界では、王子のふりをしていたんだ。

僕自身、君のことは全く記憶から消されていたけど、僕はまた君に恋をしていた。

本当のラビナス国の王子は、あそこにいるよ!”


オリナスとは全く違う王子がそこに居た。



”3つ目の世界では、僕は亀となって君を導いた。

最初はみんなの夢の世界だったけど、最後は現実の世界だった。

君も気づいたよね?


どうなるのか僕にもわからなかたけど・・・

君しかこの世界を救うことはできなかった。


だから・・・


ビーランを覚えている?体の一部が僕に付いていた。そのお陰で、完全に吸血鬼になる事がなかったんだ。ビーランは血がないから。吸血鬼に変えられるはずもなかったさ。

感謝しているよビーランには。”


にっこり笑ったカリエンヌは、キヌリアに抱きついてキスをした。

皆が恥ずかしそうに見ている。


”大好きよキヌリア! 愛しています。

それに冒険って、ワクワクする。”


ちょっと困った顔で、キヌリアはカリエンヌにこう答えた。


”カリエンヌ、今後はもう少し大人しくなろうね!

君ももうすぐママになるんだから!”


そう2人の赤ちゃんがもうすぐ産まれる。

そんな二人のラブラブな姿を、ビーランが撮影しみんなに映し出している。


今後は小さな2人の赤ちゃんの面倒を見るつもりらしく、爺もすっかり元気になって、尾鰭を動かしながらくるくると踊っていた。


”ところでキヌリア、貴方が息を吹き返した時、小さな男の子の光が、貴方の体に入って行ったけど・・・あれは?”


”彼はオーベルン王子だよ。ジュエルとフィーリアの王子。

ずっと精霊として、大樹の中で育っていた。


彼はカイルの呪いを受けて、吸血鬼の姿になるところだった。

でも大樹の中で育つうちに、元の姿に戻り、成長していたんだ。


彼の精霊としての責務も終わった。

カイルの呪いが解けたからね。


ずっと産まれる事を望んでいたんだ。彼は。

彼が僕に命を吹き込んでくれた。

大事にしよう、彼の分も。一緒に生きよう!”


キヌリアはじっとカリエンヌを見つめた。


”もう1つ君に話すことがある。

実は僕にも紋章があるんだ。

月と半月の紋章が、僕の両手に現れる。


おそらく僕らは強い力を、お互いに持って生まれたのだろうね。

そのおかげで力を合わせて、運命に打ち勝った!

これからは、皆が幸せに過ごせる、楽しい国を作ろう!この子の為にも!”


カリエンヌのお腹に耳を当てるキヌリア。



”カリエンヌ女王様、歌って、貴方の声が聞きたいと皆望んでいるわ”


ライリーがお祝いに駆けつけてくれていた。妖精も、魔法の国のみんなも。

ドラゴン、ユニコーン、フェニックス、地上の動物も民も、人魚も海中の生物みんながお祝いしてくれる。

あんなに恥ずかしがり屋だったフィフィは、大音楽家になり指揮者となっている!



”皆の為に歌いましょう。

この幸せが永遠に続きますように!”


おしまい





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ