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月の夜に  作者: カノン
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終焉(3)

 ジュエルとフィーリアの精霊がカリエンヌ達の前に現れた。


 ”カリエンヌ、キヌリア、もう十分だよ。ありがとう。

 君達は、運命という掟に縛られ、苦しめられた。

 君達の性では無いのに、こんな重い運命を背負わされて・・・

 もう終わりにしよう!”


 もう1つ、小さな精霊が現れた。

 ”僕は生まれ変わるよ!やっと世界に出られるんだ!パパ、ママ行ってきます!”


 その光はキヌリアの体に溶け込むと、先ほどのキヌリアの精霊の姿も消えた。

 彼の身体は、吸血鬼の姿から、元の金色の髪のキヌリアに戻り、瞳も以前のような緑色の瞳に戻った。

 ゆっくりとキヌリアが目を覚ます。

 キヌリアが息を吹き返した!


 ”キヌリア!”


 キヌリアの側にカリエンヌが駆け寄ると、キヌリアが身体を起こし、カリエンヌを抱きしめた。


 ”ああ、やっと、やっと会えた。この姿で、君に!”

 ”キヌリア!”


 抱き合う2人を見守る精霊の中に、父と母も居た。


 ”カリエンヌ、よくやってくれた。辛かっただろう、苦しかっただろう。

 ありがとう。

 お転婆な我らの姫は、この世界を救ってくれるとは。

 これからは、君達の時代だ。

 良い国を作っておくれ!”


 ”こんなに大きくなって。私の小さなお姫様、カリエンヌ。

 愛しているわ、ずっとずっと”


 初めて聞く母の声だった。


 カリエンヌは、涙でよく見えなくなりそうだ。あんなに会いたかった母の姿がそこに居る!


 ”お母様!”


 両親の元に駆けつけるカリエンヌ。

 わんわん泣いているが、嬉しくてしょうがない。

 精霊であっても、やっと母と会うことができた。言葉を交わす事ができた。





 するとカイルが現れた。

 本当の気持ちが伝わり、カイル自身の心が精霊達によって浄化され、カイルも精霊となったのだ。


 ”カリエンヌ、君に感謝するよ。言葉では言い尽くせないぐらいのありがとう。

 僕を救ってくれたのは、君だよ。カリエンヌ、そしてエレン。


 君の綺麗な心が、僕をいつも救ってくれた。

 君といるときは、平穏で幸せだったよ。その気持ちが、僕の心を取り戻してくれた。

 ありがとう。

 ずっと忘れない。

 君が僕にしてくれた事、お話ししてくれた事、小さな僕らのお姫様”


 ジュエルとフィーリアがカイルを抱きしめる。




 ”さあお戻りなさい、貴方達の国へ。

 また新しい世界の始まりです。

 幸せな世界を、皆が笑って暮らせる国を作るのですよ!”


 母は優しく、強く、カリエンヌを励ましてくれた。


 ”私達はいつでもここに居ます。貴方達を見守っっているの。”


 その言葉に励まされ、カリエンヌとキヌリアは元の世界に戻って行った。







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