表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
月の夜に  作者: カノン
38/42

戦さの後

 戦いは勝利に終わった。

 少なくとも吸血鬼となった一族と、彼らに対抗する民の戦いは。


 この後、本当の戦いがある。


 勝利する民を残して、カリエンヌは大樹の間に向かった。


 ”爺、後はお願いね”


 爺と呼ばれる武将は、カリエンヌの後ろ姿を見送った。

 周りの歓声とは違い、彼の気持ちは鉛のように重かった。




 カリエンヌは大樹に寄り添い、耳を傾けていた。

 聞こえてくる。色々な声が。


 そして彼が近づいて来る。愛しいキヌリア。

 今は吸血鬼となり、我を失っているだろう。鬼の形相をした彼が、こちらへ向かって来るのが分かる。


(恨んでいるでしょう。私の事を。


 もし私が貴方を好きにならなければ、もしあの満月の夜出かけなければ、もし私が貴方を愛してこの子を宿さなければ、



『貴方は吸血鬼になどならなかった』



 私が運命を受け入れて、従っていれば、こんな不幸は来なかった。

 本当の事を話していれば・・・


 私は自分の身勝手さで、世界を闇に貶めるところだった。


 キヌリア、私を恨みなさい。

 鬼となって、私を殺しにやって来なさい。


 貴方を待っています。)



 晴れたはずの空が、また暗くなった。

 闇が訪れたからでは無い。

 空を覆うほどの大きな黒い羽。


 彼が来た。キヌリアが。

 キヌリアは勝利に喜ぶ民を上から見ていた。


 民の中に佇む老武将を見つめ、姿を消した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ