表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
月の夜に  作者: カノン
28/42

夢の国(2)

 随分と古そうな扉があった。


 1つはフィーリアの扉。


 なんとなく気が引けるが、中を覗いた

 フィーリア妃は空の国の者であった!!


 羽が生えていた!


 彼女のことも人魚だと、今まで思い込んでいた。



 国を築く時の王妃。

 だからかもしれないが、まさか空の国の民とは思っていなかった。



 長い髪を風に揺らし、黄金の羽を持つフィーリア妃


 空から彼女が降り立つその場所に、ジュエル王であろうか?両手を広げて彼女を優しく包み込む者。


 見つめ合う二人。


 2人が結婚する前なのか、そこに来たのはカイラだろうか?

 ジュエルにそっくりな男性。


 フィーリアが何かを2人に伝えると、最初は驚いた顔をしていたが、すぐに嬉しそうになり、3人で何か話しては笑っていた。

 どうやら、フィーリアは自分が懐妊した時のことを夢見ていた。






 

 カリエンヌは次の扉を開けることにした。

 いつまでも、人の夢の扉を見ていてはいけない気がしていたが・・・







 次の扉はジュエルの扉だった。


 フィーリア妃の結婚式準備中。

 誓いの言葉を述べる場所。

 ウロウロしながら段取りを覚えている。



 世界の王に選ばれるぐらいなので、もっと貫禄のある王を予想していた。

 ここでみるジュエルは普通の男性で、姿形はかっこいい。

 人柄も良さそうだし、賢い印象も受けるが。ドーンとした貫禄よりも、親しみやすい印象だった。




 時々段取りを間違えては、焦った表情をするところなど、なんだか可愛らしい。




 カリエンヌがくすくすと笑ったその時。


 ”おや?小さなお姫様。君はどこからきたの?”


 どうもカリエンヌに話しかけているらしい。




 ”こっちにおいでお姫様、君も僕の結婚式を見にきてくれたのかい?不様ぶざまだろう、僕って。

 当日失敗しないかと、自分でも不安になるよ。

 あー、緊張してきた!”



 (この人私が見えるの?今までも私が見えていたのかしら?

 他ではそんな素振りはなかったはずだけど。)



 カリエンヌは恐る恐るジュエルに近づいてみた。


 ”そんなに怖がらないで、小さなお姫様。

 僕はジュエル。

 君はのお名前は?”



 やはりカリエンヌが見えている。


 ”私はエレン”

 咄嗟に嘘をついた。


 ”エレンか、いい名前だ。

 君はどこから来たの?

 パパやママはどこ?

 迷子かな?”



 ”パパは遠くにいるの。ママはもう居ない。ここで待っているように言われたの”

 作り話をしてみるカリエンヌ。



 ジュエルにはカリエンヌが子供に見えている。


 ”そう、ではパパが来るまでここで僕とお留守番だね。

 パパはここに迎えに来るのかな?”


 カリエンヌは頷いた。


 余計なことは言わない方がいい。







 優しいジュエルは、カリエンヌのために読み物を探して来てくれた。

 おとぎの国のお話。

 まるで主人公さながらに演じながら、おとぎ話をしてくれるジュエル。




 お話の後は、見ず知らずのカリエンヌを街に連れて行き、好きなものを食べさせてくれる。




 皆知り合いなのか、

 ”どこの子?”

 と聞きながら、親切にしてくれる。


 ジュエルの人柄の所為なのだろう。




 ”異国の小さなお姫様なんだよ”


 と皆に紹介するジュエル。





 そこに現れたのはカイラ


 ”ジュエル探したぞ。結婚式の予行練習は終わったのか?

 その子は?まさかお前の隠し子なんじゃ無いだろうな!?”



 どう飛躍しらた、いきなり隠し子になるのだろう?

 青い顔をして。

 やはり兄弟だ。

 勘違いも甚だしい。

 


 ”違うよ、お父さんを待っているらしい。小さなお姫様さ”


 ”お姫様って、お前知らない子を連れ回したら、それは誘拐って言うんだぞ!”


 ”えっ?!そうなのか?

 退屈だと可哀想だから、街に連れてきたのだが、まずかったのか俺?”


 その様子を見て項垂れるカイラ


 ”お前なあ、どこで見つけたんだその子”


 ”誓いの丘だよ。

 結婚式の練習をしていたら、このお姫様が僕のカッコ悪さを見かけて、笑っていたんだ。

 

 どうもそこでパパと待ち合わせらしい。”



 ”パパが探していたらどうするんだよ!

 早くその子を誓いの丘に連れて行くんだ!”


 ”そうだな、ごめんね。

 パパが探しているかもしれないよね”



 カリエンヌは横に顔を振って微笑んだ。


 ”大丈夫、パパはまだ戻ってこないから”


 ”まだ戻ってこないって、どうやってわかるんだい?君を探しているかもしれないよ”


 ”数日帰って来れないって言っていたわ”


 さらにカイラは青ざめた。


 ”ええっそれはもしかして、置き去り?”

 

 カイラは汗を泣かし始めた。

 何かまずい状況と思ったようだ。


 ”じゃあ心配はいらないね。

 パパが戻ってくるまで、君は僕と一緒に居よう。

 それで良いかい?お姫様?”


 ジュエルは何の心配もしていないようだ。



 ”ジュエル、お前”


 ”大丈夫さ、いざとなったら、この子の行方不明届が出るだろうし。

 これだけ街の皆んなも、エレンと知り合いになったのだから。


 エレンを探している者がいれば、すぐに知らせてくれるよ。


 カイラは心配性だなあ”



 ”それはそうなんだが・・・・”





 結局カリエンヌ、今はエレンとなった小さなカリエンヌは、数日ジュエルとカイラと過ごすこととなった。

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ