作戦(2)
カリエンヌは足長魚に近づき、そのコウモリのような物を払い除けようとした。しかし、ぴったりくっついて離れない。
その時、白い花が目に入った。白い花は灯りになる。ブーメン城の周りにたくさん咲いていて、明るく城を照らしていたのを思い出した。
白い花を掴むと、一気に花弁が広がり、灯りが灯った。
それを試しにミニコウモリに近づけてみたら、焦げていく。
ミニコウモリのコゲ落ちた足長魚は、正気を取り戻したのか、動く速度が遅くなり、ゆらゆらと空を泳ぎ始め、ホワイトバーンに興味を示さない。
産気付いたホワイトバーンが赤ちゃんを続々産み始めた。
ホワイトバーンの赤ちゃんは、直ぐに羽を広げて飛ぼうと試みる。
まだうまく飛べない数匹が、花の囲いの中から転げ落ち始めた。
コウモリに操られていた足長魚の数匹が、赤ちゃんを飲み込もうとして口を開けて突進していく!
その時、カリエンヌの後ろにオリナスが現れた。
小さな体のまま。
”カリエンヌ、これを”
彼の小さな可愛らしい手から、黄色い光が飛び出し、光は剣の形となった。
カリエンヌの手のひらの紋様が浮かび上がり、銀と金のドラゴンが現れ、剣の形になる。
その剣に黄色い剣が巻き付いていく。持ち手の部分に、以前には無かった赤い蝶と白いツノの紋様がある。
その剣を一振りすると、天が2つに割れた。
月と太陽も半分ずつに割れた。
割れた2つの月と太陽の間から強い光が注ぎ始め、コウモリを焼き尽くす。
足長魚達は正気を取り戻し、またゆらゆら泳いでいる。
ホワイトバーンの産卵が始まり、沢山の卵が生まれている。
殻を割って、その殻を食べ尽くしたホワイトバーンの赤ちゃん達は、直ぐに大きくなり、翼を広げて飛び出した。
羽が透明になり、光を浴びながら、魔法の国に光を注ぐ。
一斉に、草や花が生き返り始め、枯れていた魔女が、元の姿に戻って行く。
そして、半分に欠けていた月と太陽は、その半身が戻り始めた。
ホワイトバーンに連れられ月は沈み始め、代わりに太陽が昇る。昼間の時が帰ってきた。
小さかったオリナスが青年に戻り、国に光が放たれている。
魔法の国が戻って来た。
魔女があちこちにいる。
魔法の杖で、お菓子を作る花、動物を産む花、家を作る花、鳥を作る花。いろいろな物を作り始めた。
ホワイトバーンが飛び回り、遠くから赤のフェニックスも現れた。魔法が戻り、仲間も帰って来ている。
踊りながら、笑いながら魔法使いがくるくる舞っている。
音楽が鳴り始め、海中が宙に浮かび、魚達が飛び跳ねる。
そして、空から流れる海水が虹となり、地上に注いでいく。
大地が正気を取り戻していく。
(なんと美しい。)
オリナスは上を眺め、そばに居るカリエンヌを見て思った。




