ガーデンパーティ(3)
目が覚めると、それは牢獄のような場所だった。
灰色の部屋。光も差さず、何も聞こえない。
”カリエンヌ様、こちらの匂いを”
そう言って、侯爵の使いのものがやって来た。
”ここはどこ?なぜ私がこんな目に遭うの?”
”貴方は次の生贄。
こちらで次回のガーデンパーティーまでお待ちください。”
(生贄ですって?)
”どう言うことなの、生贄って。エラゴラはどこ?私を放して!”
足に鎖がつけられて逃げられない。
”エラゴラは生贄となりました。
紫の空気の向こうにいる怪物の生贄と。
この国の住民も、私たちの心も、すべて餌食となりました。
次は貴方の番です。”
そう言って、揺らぎながら出て行った。
生贄なんで冗談じゃない。ここで終わるわけには行かない。頭痛のような思い空気は残っているが、何とか逃げ出さなければ。
考えても、良い案が浮かぶわけでもない。
だがこの匂いは嫌だ。やる気が失せていく。
何とか匂いを嗅がないようにしているが、窓もなく、どうしたら良いのか。
その時、彼女の爪から花が咲き始めた。芳しい匂いを嗅ぐと元気が出る。
”カリエンヌ、カリエンヌ、貴方の元へ、カリエンヌ”
小さな声で歌いながら、その花は、カリエンヌの人差し指に咲いていた。
咲き終わると、次は、中指、薬指、と花を咲かせて、彼女を励ましてくれる。
最後の花が咲き終わると、花が枯れ、鍵の形になった。
そっと足かせの穴に入れてみたら、開くではないか!
足かせを外し、隙を見て逃げる準備。
あの使いが次に来たときは、隙を見て逃げるシュミレーションを何度もした。
いつものように、扉が開くと使いの者がいた。
カリエンヌは壁の横にへばり付いていて、扉が開いた途端に逃げ出した。
風が重く、揺らぎにくいが、何とか逃げ出せた。
隙を見て廊下を通り過ぎ、外の出たが!
辺りは紫色の空気。
先日のガーデンパーティーにいた者達がいる。
目が虚。
カリエンヌを見つけると、襲い掛かろうとしてくる。
侯爵は、狐のような目を大きく見開き、
”さあ、獲物だよ。皆さん。誰がこの歌姫を貢ぎ物に差し出せるかな?”
一斉に皆が、カリエンヌに襲いかかってくる。
必死に逃げるが、風が重い。
抵抗するが、風の方に吸い寄せれられて行く。
歓喜の声がする。カリエンヌが吸い寄せられるのが面白いのだ。
すごい吸引力で、紫色の空気の中、カリエンヌはずっと奥にある黒い穴に吸い込まれてしまった。




