不安定な運命と未来
『人生は選択の連続である』
『心が変われば……人生が変わる』
『人生とは今日一日のことである』
『過去に戻ってやり直したいと願う未来があるとするなら、今がその過去だ』
……古今東西あらゆる名言格言、哲学や経典、物語の登場人物のセリフ、歌詞等々。
切り口は時間だったり行動だったり在り方だったりするが、その本質は『人生は自ら変えられる』と言うことだと思う。
確定している運命などないということ。
心の在り様が。
そして心から生まれる言葉が、思考が、行動が。
結果と因果関係を持つそれらのどれかひとつでも変わっていれば、自ずと迎える結末も、過程も変わってくる。
例え、未来が視えたとしてもその未来は確定などしていないのだ。
視えてしまったが最後、それを前提に考え、行動するのだから。その瞬間から心が、人生が、変わっていくのだから。まして影響し合うその人生に関わる周囲の人々のことまで考慮すれば、ひとつのきっかけが無限の分岐を生む。運命なんてポルボロンのように脆いものとさえ思える。
だから、天候や災害などを予知する予言などはともかく、ひとの人生を占う占いは当たらないのだ。占い結果が好ましければ当たりに行くことはあっても。
占い師は当たる当たらないを成果とするのではなく、良き方向に導くアテンド役に徹すれば、神秘的なもの或いは怪しげなものから、カウンセラーの一種として認められるのではないだろうか。