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8話 初めての恋人


僕は心身共に疲弊していた。


あの後、僕は本当に覚えてなかった。

気がついたら朝で、身体は生気がないような感じで心はボロボロだった。

あの人との最後のメッセージは既読がついてなかった。


そんな僕が登校するといろんな人から心配された。

僕は大丈夫と答えているんだけど、それでも心配された。


「赤須くん。だから言ったじゃない」


そんな僕に委員長は口を開いた。


「もう野蛮な狼の毒牙にかかっているのよ」

「……違う」

「違くないわよ。今の赤須くんが物語ってるじゃない」

「違う!」

「野蛮な狼は食べようとしてくるわ。赤須くんに近づいたのもそれが目的__」

「初さんを悪くいうな! 何も知らないくせに!」


僕は委員長に声を荒げてしまった。


「……そう。なら勝手にすればいいわ」


委員長はそのままいなくなっていた。

僕は声を荒げた事で気づいた。

僕は今でも初さんが好きだったから。




いても立ってもいられなくて、僕は初さんを探した。


初さんのクラスに初さんはいた。だから僕は


「ついてきてください」


初さんの腕を引っ張った。けど初さんは抵抗した。

もし、知らない男に腕を引っ張られたら周りは助けに来ただろう。けど、ここ最近の僕らの仲の良さからそうしてこなかったのはありがたかった。


「ついてきて!」


僕は声を荒げてしまった。

そしたら、初さんの抵抗は無くなった。


引っ張った先は、僕らのいつもの端っこの場所。

初さんは怒ってるわけでもなく悲しげな表情をしてる。

そんな僕は初さんに向けて


「僕は、初さんと寄り添ってる男の人を見てしまいました。その姿を見て……僕は……僕は!!」


初さんに僕の気持ちを全部伝えたかった。


「初さんの事が……好きになってました!!」


自分の気持ちをありったけ精一杯ぶつけたかった。

どんな結果になろうとも


「……」


涙でぐしゃぐしゃな顔をする初さんを見て、僕はダメかと思ってた、その時。


「……あたしも……好き。やっぱり……諦められなかった」

「……本当に?」


僕は嬉しくて涙が出そうになっていた。

あの瞬間見た時はこんなヴィジョンなんて思い浮かべてなかったから


「錦クンが……他の女と……帰ってるの見たら……あたしの気持ち……壊れちゃって」

「っ!?」


今初めて知った事実。僕が原因で初さんをツラい思いにさせた事に後悔した。

僕がちゃんと断れば、僕がちゃんと流されなければ

嬉しい涙は次第に後悔の涙となってボロボロと溢れ落ちていってしまっていた。


そんな僕に初さんは抱き寄せて頭を撫でてくれた。


「あたしは途中で挫けたけど、錦クンは最後まで貫いたのはカッコいいよ」


優しい初さんの言葉に僕は枯れるまで涙を流し続けた。





「あー、あれ。従兄弟なんだ。だから恋愛感情はまったくないわ」


落ち着いた頃に双方の誤解が解けた。


「良かったです。従兄弟だったとは思いませんでしたが、これで恋人同士になれたので良かったです」

「ん? あたしといちゃいちゃしたいのか?」

「それはしたいに決まってるじゃないですか」


初さんはにししっと笑みを浮かべ


「あたしもしてほしい事があるんだよ」

「なんですか? なんでもしますよ」

「錦クンが考えて欲しいな」

「とてつもない可能性があって思いつきませんよ」




「じゃあ、ヒントは……赤須錦はあたしで大神初は錦クン」


と……

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