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7話 初めての喧嘩


僕は絶望していた。


『初さん。おはようございます』


僕は朝送ったメッセージを見てたけど既読がついたままだった。

初さんは既読スルーをしているのだけど

何故、何の為になのかは僕にはわからなかった。


そんな僕は偶然、初さんと廊下ですれ違う事が出来た。

僕は初さんを引き止めようとしたが


「錦クン。あたしに……喋り掛けないで」


誰にも聞こえないような小声で僕に言ってきた。

僕は喋り掛けようとして絶句してしまった。


僕は絶望からまた逃げ出してしまった。

けど、初さんは怒りや恨みの表情ではなく悲しい表情をしていた事を思い出した。


僕はまだ諦めたくない。

きっと僕が何か悲しい事をさせたのだろうと思い、初さんに謝罪しようと、そして初さんの好意受け止めようと


『初さん、大事な話があります。放課後いつもの端っこでずっと待ってます。』


そうメッセージをして、僕は初さんに覚悟を示す事にした。



◇◇◇



それからどれくらい経ったのか。

だいぶオレンジ色になってきた景色に初さんはやってきた。


「喋り掛けないでって言ったよね」

「メッセージです」

「錦クン……。ズルいね」


初さんの表情は初めて見た何も感じてないような無を表す表情だった。


「初さん。ごめんなさい」

「……何に対しての謝罪なの?」

「えっ……」


初さんの問いに僕は答えられなかった。

初さんが悲しんでる理由は、いまだにわかってないから。


「錦クンさぁ……あたしの事……どうでもいいと思ってるでしょ!!」


初さんの逆鱗に触れたらしい。


「もう……あたしに喋り掛けないで!! ヘタレの……くせに!! あたしの好き……を返して!!」

「僕も……」

「うるさい!! うるさいっ!! うるさいっっ!!」


初さんは大きな涙を滲ませながら言い放った。

それに僕は何も出来なかった。


「もう……あたしに関わらないで。赤須クン」


初さんはそのまま去ってしまうが僕は追いかけられなかった。

僕はそのまま膝から落ち泣き崩れてしまった。僕と初さんの間に、大きく高い壁が出来てしまい、初さんが遠い存在になっていきそうなのを感じてしまって。




どれくらい歩いたのだろうか。

僕は帰路に着くこともなく、あてもなく徘徊するように


時間的に周りは仲睦まじい恋人達が賑わっていた。

僕も前までその中にいたのに。


そんな虚な僕の瞳に、ある二人組を見て僕は目を見開いてしまった。







__うわあああああああぁぁぁぁっ!!!?








そして僕は心の中で叫んでいた。

僕の見ている物がどんどん涙で滲んで見えなくなった。


僕が最後に見たのは、かっこいいイケメンの男性とさっき壁を作られて遠く存在になりつつある人が仲睦まじく寄り添って歩いてる姿だった。


それでも何かの間違いだと思って藁にも縋るようにメッセージを送っていくが


そのメッセージは既読すら付かなかった。

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