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プロローグ とある勇者の憂鬱


「結婚なんかしたくない、結婚なんかしたくない、結婚なんかしたくない、結婚なんかしたくない、結婚なんかしたくない、結婚なんかしたくない、結婚なんかしたくない、結婚なんかしたくない、結婚なんかしたくない、結婚なんかしたくない、結婚なんかしたくないんだっ!」


パンツ一枚で、地球基準で言えばキングサイズオーバーのベッドに寝転がったまま足をバタバタさせる。


明日に迫った第三王女との結婚式を控え、この時の俺は脂汗を只管垂らしながら、この辛い現実から逃げ出す方法を考えていた。


あらすじで「幸せの絶頂」って書いてあったのを信じたそこの君、そう君の事だ。残念ながらアレは嘘だ。


幸せ?勘弁してくれ。


何が悲しくて、髪の毛やら血液やら爪やら、月に一度排出されるちょっとここに書けないような成分やらを入れた手料理を俺に食わせようとする女と結婚しなきゃならんのだ。まあ百歩、いや一万歩ばかり譲ってそれは良しとする。


いや、やっぱり良くねえよ。

新鮮なレバーじゃねえんだよ。


更には俺が軒先に立って中を伺っただけの娼館を国家権力を持って潰したり、俺とパーティを組もうとした女冒険者から冒険者ライセンスを剥奪して故郷に帰したり、はたまた俺に道を尋ねようとしたご婦人や、軽く手を振ってきた酒場の看板娘や、良く喋る行きつけの宿屋の女将さんを物理的に排除しようとするのを目にした瞬間に俺は悟ったんだ。


俺がこの異世界に招ばれてから今日までの五年間、ずっとボッチだったのはこの第三王女のせいだってな!


あー、マジムカつくわあ。

なんなんだよ、俺に何の恨みがあるんだよ。


社会人になって三年目、漸く仕事にも慣れてきた二十四歳の春、アパートの玄関開けたらお約束の白い部屋で、そこにいた自称管理神とか云う駄女神にアイテムボックスの魔法だけ与えられて放り出されたこの世界、アレよアレよと云う間に魔王を懲らしめ、魔族を操っていたもう一柱の管理神を封印し、気が付いてみれば英雄様の出来上がりですよ。


長かった

そしてツラかった五年間

やっと報われるって思ったよ。


でも五年ぶりに招かれた白い部屋で、あのクソ女神、言うに事欠いて「今君を帰すと君の世界の神様に住人(俺のこと)拉致ったのがバレて怒られちゃうから帰したくないんだよねー」ときたもんだ。


女は殴らない主義だったけど、この時ばかりは殺意が芽生えたね。創造神ならまだしも管理神くらい簡単に消滅させれるんやぞ、おぉん?

魔族操ってた元凶の管理神と同じ場所に封印したるぞ、このアマ。


って思ってる間に白い部屋から追い出されたんだけどね。それ以降天の声も聞こえないし、白い部屋に行く方法もさっぱりわからない。


で、この世界に居座るしかなくなった俺を取り込むべく、各国の王様やら貴族やら果ては操られてた魔王までが俺に娘を差し出そうとしてきた訳だ。


まあ顔も知らない他国の王女と結婚させられるのもアレだし、一番世話になってたこの国の第三王女と結婚する事にしたんだが、まさかその王女様があんなキチ○イだなんて俺も思わなかった訳で…


そんな訳で俺は用意された離宮の自室で現実逃避の真っ最中って感じです。


「よし、逃げよう!!!」


頭を押し付けてた枕からガバっと顔を上げて背筋力だけで二メートルばかり飛び上がる、天井スレスレでくるりと一回転してベッド横に着地。


テレマーク付きだぜ十点いただき。

パンツ一丁だけどな。


「え、何で魔法陣が…?」


着地した俺の足元に唐突に現れた紫色の光を放つ魔法陣。


眩い光に包まれながら、こうして俺の五年に渡る異世界生活は終わりを告げたんだ。


はじめまして、シモヘイと申します。

拙い文章ではありますが楽しんでいただけましたら幸いです。


当面は毎日更新したいと思いますので、

どうぞご愛顧の程、宜しくお願い致します。

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― 新着の感想 ―
[一言] 何これ凄い面白い、まさかあらすじがフェイクだとは思わなかった。
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