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人型自走電磁パルス兵器と地味で普通の女子高生の物語  作者: 岡田一本杉
長すぎたサマータイム
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無料券

彼とは以前のように、普通に話せる状態に戻った。少なくとも表面的にはそうだったし、私はそう思っていた。そして彼をもっと知りたいという気持ちが強くなった。それはつまり具体的には、彼といろいろ遊びに行きたいという思いにつながった。彼がいついなくなるか分からないという不安もあるし、また私の知らない世界で、彼が誰か他の人と私より深い付き合いをしていたということを知ったからかもしれない。

そんな時に、お母さんがお店のお客さんからイベント券を2枚もらって帰ってきた。

「いる?いらなかったら、捨てちゃうけど」

もんじゃ祭りのもんじゃ無料券

もんじゃは聞いたことはあるけど、食べたことはない。お好み焼きの柔らかくしたものというイメージ。

場所はどこかな?

と思って、無料券の裏面を見てみると、月島。確か東京の海の方だったような。

もんじゃで有名とは聞いたことがある。でも、結構遠い。もんじゃより交通費の方が高くつきそう。

往復の交通費を考えると、もんじゃを無料で食べても赤字になる。そして、もんじゃがそこまで美味しそうかというと、食欲はそれほどそそられない。だからいつもならば、そんな無料券には興味を持たないのだけれど、今回は違った。涼くんと何でも良いから一緒に行動できる理由になると思った。だから珍しく、私の方からお母さんに、欲しいと言った。

お母さんはお店をしているから、お客さんからいろいろお土産をもらう。レジャー切符とか映画の前売り券とかはよくもらう。果物や旅行のお土産も時々ある。ナスやキュウリなど普通にスーパーに売っている野菜を持ってくる人もたまにいて、そういうのも断るわけにはいかないから、もらってくる。自家栽培なら分かるけど、そうでもないらしい。表現の仕方は人それぞれ。もちろん食費が助かるからもらってうれしい。

で、今回はお客さんがどういうツテでもらった無料券か分からないけれど、さらにそれをお母さんがもらってきた。高価な贈り物ではなくて、ナスやキュウリと同じ感じの、ちょっとしたお土産みたいなもの。

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