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「お兄ちゃん昨日魔法使ってた?」



朝ごはんのパンにかぶりつこうとしたお兄ちゃんが止まった。



「な、なんで?」


「昨日呪文を唱えてたでしょ?聞こえてきたもん」



ボッと耳まで真っ赤になって「はぁ」と溜息をついた。



お兄ちゃんが魔法を使おうとしているところをみたことがあるけど、成功した所は見たことがない。

たまにわたしに気づいて見ていたことを怒られたことがあった。なんでだろう?





※※※※※※※※※※





晩ご飯のあと、みんながソワソワしていた。

みんなの前で召還するなんてとっても緊張する。参観日の時みたいにふわふわ、わくわく。



「マル書いて、お星さまっと」


丁寧に描いた魔法陣。


大きく息をして、ちょっとそれらしくカッコ良く見せる。


マオちゃんを思い浮かべる。


「わたしのねがいをかなえたまえ、いでよ、マオー!!」


バッと立ち上がって、くるりと回り、床においた魔法陣へ手をおいた。


丁寧に、そしてカッコ良くを意識して。


すると、ピカッと光ったと思うと魔法陣の上にはピカリと光る革靴があった。





口をあけて驚くお父さんとお母さん。


「この人がマオちゃんだよ」


腰に手を当てて、すごいでしょと胸をはる。



「「………………」」



「…とりあえず、マオさん靴脱いで座って話そう。」


お兄ちゃんが固まってるお母さんとお父さんをひっぱって椅子に座らせる。

わたしもマオちゃんをひっぱって座らせる。




「…えーと、初めまして、翔と千香の父親の佐藤 和義と」

「母親の佐藤 里香よ」


「私はマオ・アディントン、山羊の獣人で父クライヴ・アディントンと母ヨウコ・アディントンの息子である。」


「「!!」」


「母の旧姓は、サトウ。ヨウコ・サトウだ。」


「じゃあやっぱり、あの子の息子なのね」


「初めまして、叔父上、叔母上。」




「初めて召還されたとき、チカをみて驚いたのだ。母を小さくしたらこのようになるだろうと」


ゆっくりマオちゃんがわたしの頭を撫でる


「そうだな、千香は子供の時の葉子に似ているから」


お父さんが私を見る、なんだか恥ずかしくって、んふふと笑ってマオちゃんにくっつく。


「あの子…元気?」


「…母は好きなガーデニングや料理をよくしている、こちらには無かった花や食材があるらしい。だが時折物憂げに遠くを見ることがある。」


「……そう。」




お父さんとお母さんとマオちゃんが話し込んでいる声が段々遠くになってくる。

時計を見ればもうすぐ『10』を指すところだ。



「もうそろそろ、千香が限界だな。」


「そのようだ。」



こっくりこっくりと船を漕ぐ。

マオちゃんとお別れか…目が重くなってきた。



「葉子によろしくな」


「これ葉子に渡してあげて」


「ああ、叔父上、叔母上ありがとう。」



お父さんもお母さんもおばさんに会いたいみたい。

会えば良いのに?なんで?



「チカ、今日はありがとう。また明日」


「う〜ん、またねマオちゃん、でも明日はおばさん呼ぶね…」



「は!?」   「「「えぇ!?」」」



ピカッと光ってマオちゃんは消えていった。

私の意識も遠くへいく………

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