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七尾の猫の干支オニギリ  作者: 鈴神楽
002 4+5+12=一等兵
18/20

002_辛/何の冗談だ?

『002_辛/何の冗談だ?

/2040/12/15

/DFW/クリーンバッドの施設/クリーンハウス

/ギルド『クリーンバッド』マスター 烏田猪太郎(カラスダイノタロウ)大尉』


「『鬼斬』からの抗議は、未だありません」

 秘書の言葉に私は、苦笑する。

「身内のコネで大尉になっただけの若造だ、そこを突かれるのをきらったのだろう」

「しかしながらPCW側施設の立ち入り調査には、驚きました」

 驚きの表情の秘書に私は、余裕の笑みを浮かべる。

「想定内だ。前の時も人道派の善意馬鹿の暴走で末端が一つ潰されたからな。今回は、正式な調査認可が下り辛いDFW側の施設に商品と顧客情報を逃がしてある。ここの調査を行おうとすればRMSと国との調整が必要になりその間に別の場所に逃がす事は、十分に可能だ」

 完璧な作戦に笑いが止まらない。

「大変です! Mセクションの奴らが施設入り口を封鎖してきました!」

 駆け込んできた部下の言葉に私は、眉を顰める。

「入り口を封鎖だと? 調査の正式な許可は、下りる訳が無い筈……」

 相手の思惑を探る。

 PCW側の施設とこちらの入り口を封鎖して、商品を隠すのを防いでいる内に調整をすまそうという判断なのかもと思い確認する。

「……裏口は、どうなっている?」

 比較的安全な『活力の草原』とは、反対は、都心部の近い事もあり、強力な塵獣が多く、封鎖は、難しい筈だ。

「それが、背面なのですが、少しおかしな状況になっております」

 部下の曖昧な表現を私は、苛立つ。

「はっきり言え、どうなっている!」

「それが……」

 部下から語られたのは、確かにおかしな状況であった。



 私は、施設の背面、強力な塵獣対策に立てた壁の上に立っていた。

「これは、何のつもりだ『鬼斬』の若造!」

 私の問い掛けに、壁の向こう側に立つ、邪魔をしてきている『鬼斬』の若造が言ってくる。

「周囲の壁を作りって塵獣を集めて戦う訓練さ」

 私は、部下から渡された双眼鏡で確認すると特に危険とされる区域を区切る様に分厚い壁が作られ、奥から塵獣が集まってきている。

「何のつもりだ! 何故ここでそんな事をする! ここは、『鬼斬』のテリトリーじゃないぞ!」

 私の言葉に『鬼斬』の若造が平然と言ってくる。

「どこで塵獣を潰すのも勝手。それどころか推奨される行為だぞ」

「どうしてここでするのかと言っているんだ!」

 私の怒声に『鬼斬』の若造は、こちらの壁を叩いて言う。

「コスト削減だよ。ここならこの壁があるからな。節約に努めた結果さ」

「ふざけるな! そうやってこちらに被害をだすつもりだな! 正式に抗議させてもらうぞ!」

 私の糾弾に対して『鬼斬』の若造は、断言してくる。

「安心しろ、俺がここで全ての塵獣を倒してお前の所には、一体たりとも行かせない!」

「そんな事が信じられるか!」

 私が即座に否定するも『鬼斬』の若造は、態度は、変えない。

「信じるも信じないもそっちの勝手。俺の言葉が真実かどうかは、結果が証明してくれるさ」

 話にならない。

 私は、急いで上と相談する事にした。

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